マーク・ファーバー:株価上昇のエッセンス

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、株価の大幅下落のリスクを警告している。
一方で、株価上昇の要件についても言及しており興味深い。


市場が20-25%下げる可能性はとても高く、確率90%ぐらいと見ている。
2016年から一本調子で上げてきているからだ。

ファーバー氏がZee Businessに終末博士らしい予想を話した。
さらに米市場は割高かつ脆弱だとして、仮に10%下げればさらに40%下げる可能性が高いと指摘している。
市場が下げれば企業収益が期待外れに終わり、ファンダメンタルズが悪化するだろうと根拠を述べている。

ファーバー氏は現在がインフレの時代だと語る。
インフレが起こっているのが消費者物価でないだけだ。

「今世界で起こっているのは資産価格の爆発だ。
もはや経済が資産価格を駆り立てるのではなく、資産価格が経済を駆り立てている。
もしもS&P 500が20-25%下げれば、経済にとても悪い影響が及ぶ。」


資産効果に支えられた経済が脆弱であることを指摘したものだ。
ファーバー氏は、1970年には労働者の賃金が資産価格と比べてまだ比較的重要な意味を持っていたと昔を懐かしむ。
ところが、過去20-30年ほど消費者物価の上昇が穏やかだったのに対し、資産価格のインフレは速いペースで進んだ。
消費者物価の押し上げ要因である賃金の上昇も穏やかで、主役の座を資産価格に奪われてしまった。
富める者がますます富み、資産価格上昇なくして持続できない景気になってしまったのだ。

ファーバー氏のこうした弱気発言は毎度のことでしかない。
しかし、このインタビューでは終末博士が市場上昇の経験則を語っている。

過去100年を回顧すると、インフレであって信用レベルが着実に上昇している時、市場は上向いている。
過去10-12年マネー・サプライはむしろ力強く拡大してきた。
中央銀行のバランスシート拡大はとても大きい。
市場が上昇する理由だ。

ファーバー氏は資産価格上昇のエッセンスを正しく理解している。
そして、そのエッセンスが今も完全には絶えていないことも理解している。
その上で弱気予想をやめない。
ブル/ベアの境とは人の感受性に染みついたものなのだろう。


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