レイ・ダリオ:ポピュリズム・国家主義・軍国主義・・・

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、トランプ政権による鉄鋼・アルミ関税についてコメントした。
リスクをともなうポーズであるとして、投資家は備えを怠らないようアドバイスした。


私はこの貿易戦争が迫りくるより大きな対立の一部分なのではないかとの思いを禁じえない。
1930年代終わりとの類似が私の脳裏に居座っている。

ダリオ氏が自身のSNSに書いている。
ダリオ氏は、世間の大方と同じように、鉄鋼・アルミ関税をトランプ流の交渉のタクティクスにすぎないと見ている。
しかし、その一方で、こうしたタクティクスがエスカレートすれば「トゥキディデスの罠」に陥りかねないとも心配している。
トゥキディデスの罠とは、新興勢力が既存の覇者にとって代わろうとするとき、必ず戦争に結び付くことを指す。

その典型が第2次世界大戦だろう。
ダリオ氏は昨年、過去のポピュリズムについて広範な研究を行い、現在が1937年に似ていると繰り返し話してきた。
ダリオ氏は同大戦前の世界をこう描写する。


「富の格差と経済的ストレスが左翼(共産主義)・右翼(ファシズム)の両方でポピュリズムへと発展した。
世界の秩序は第1次大戦により生まれた列強から、列強と対立する新興勢力へと移り、すべては軍事的対立に結び付いた。
そうした時代、混沌に陥った民主主義とレッセフェールの通商は廃れ、より管理された独裁と『国家資本主義』が台頭する。」

中国という新興勢力の台頭、それを潰しにかかる米政権。
この構図が第2世界大戦前と酷似しているというのだ。
トランプ政権は新興勢力に対抗するため、経済を市場原理に任せるのではなく、自ら管理しようとしている。
内外の政治が経済・市場を振り回す時代の到来だ。

「間違いなく私たちは世界の秩序が米国中心から多極へと遷移する時代の中にいる。
富の格差は大きくさらに拡大しており、ポピュリズム・国家主義・軍国主義も台頭している。
これら要因は経済・市場にとってより大きな役割を占めるようになるだろう。」

では、投資家はこうした時代どう対処すればいいのだろう。
ダリオ氏は端的にアドバイスする。

そうした時代、投資家は特にポートフォリオの(柔軟性を高めるため)流動性を高め、(リスクを集中しないために)分散することが重要になる。

ダリオ氏は以前、ダンスは出口に近いところで踊ったほうがいいと言っていた。


 - 投資, 政治