クルーグマン:日本は経常黒字であるべき国だ

ポール・クルーグマン教授が、2つの興味深い論考を行っている。
1つは日本の経常黒字、もう1つは貿易不均衡の是非にかかわるものだ。


現代の日本は、ある強力な理由によって本当に経常黒字を続けるべき国なのだ: 人口動態である。
日本は急激に労働年齢人口が減少している。
これは(国内での)投資機会が限定されていることを意味しており、日本は海外の貯蓄へ投資すべき国なのだ。

昨年トランプ大統領からフェイク・ニュース大賞を受けたクルーグマン教授がThe New York Timesのコラムで日本の経常黒字の正当性に太鼓判を押してくれている。
このノーベル賞学者を心酔する安倍首相は、次にトランプ大統領と話す時この理屈で大統領を論破すればよいのではないか。

なぜ日本は関税対象に残っているのか

クルーグマン教授がこんなことを書いたのは、日本がトランプ関税の対象から外されなかったことに興味を持ったからだ。
安全保障を目的とした関税なのに、日米同盟が考慮されなかった。
この理由を教授は探求している。

「ひとつの理由は、あなたも知っているとおり、日本人が白人でないからかもしれない。」

このノーベル賞学者は不必要で不用意な発言を好む。
トランプ支持者たちは言うだろう。
(対象から外された)韓国も白人じゃないと。


こうしたまったくの蛇足を述べた後、クルーグマン教授はトランプ関税の本当の理由を推測する。
2つ目の可能性は、大統領が時代遅れの感覚しか持たず、日本が世界を席巻するという幻影をまだ見続けているためとしている。
大統領が幻影を見続けているという点は間違っていないかもしれない。
ただし、これも感覚の問題であって、現実の数字に降りてくる話ではない。

経常収支は勝ち負けを示さない

教授は3つ目に考えられる理由をこう書いている。

「米国が日本に対して計上している貿易赤字は、中国からの輸出に組み込まれている日本の部品を含めると見かけの数字より実質的には大きい。
そしてトランプは
(a) 貿易赤字とは負けであり、誰か他の国が勝っていることを意味する
(b) 貿易収支は保護主義によって決まっている
と信じている。」

もちろん、いずれも間違いと言うしかない。
貿易収支は勝ち負けを示すものではないし、保護主義が貿易収支を左右するのは事実としても他にも重大な要因が存在する。
貿易収支とは資本フローの裏返しにすぎない。

「自国からの流出より多く外国資本の流入を引き寄せる国は、純粋な算数から言って、経常赤字(投資所得を含む)を計上せざるをえない。
逆に、資本を輸出する国は、経常黒字を計上するのだ。」

(次ページ: クルーグマン教授の勘違い)


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