バイロン・ウィーン:2020年ドライバーがなくなる

Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏が4月の市場コメンタリーで、リスクへの警戒を怠るなと注意を喚起している。
米市場の上昇を予想しながらも、リスクも多くあり、2020年には厳しい金融環境が待ち構えているという。


さまざまな要因を総合すると、投資家はあまりにも見通しの中のプラス面に注目しすぎており、マイナス面の勘案が足りないとの結論に達した。
ボラティリティが上昇する要因を十分に認識しているにもかかわらず、投資家はボラティリティ上昇を生み出す市場推移のマイナス面を勘案していない。

ウィーン氏は総じて経済・市場に楽観しながらも、市場の油断を心配している。
投資家はさまざまなリスクの所在を認識していながら、それをマイナスと受け取っていないように見えるという。
ウィーン氏はテーマごとに丁寧な検討をしている。

プラス面

  • 北朝鮮問題に動き
  • 世界経済の改善
  • 米規制緩和で成果

マイナス面

  • トランプ政権の鉄鋼・アルミ関税
  • ゲイリー・コーン国家経済会議委員長辞任
  • ドル安進行

心配

  • 企業収益は好調だが、改善ペースは鈍化へ
  • 世界の金融政策は引き締め方向へ
  • インフレの懸念

ウィーン氏は年末のS&P 500目標を3,000においている。
これが達成されれば、投資家の危機感はさらに薄れるかもしれないという。
なおさら、用心を怠ってはいけないと諭す。


「今年S&P 500が3,000以上で終われば、ファンダメンタルズに根付く一時的下落も忘れられるかもしれない。
しかし、投資家はそうしたことが起こりうることを覚悟しておかなければいけない。」

何が下落のきっかけとなるかを事前に予想するのは難しいとしながら、下落はいつでも突然起こりうると注意を喚起している。

ウィーン氏は同コメンタリーの中で、いくつか興味深い分析を披露している。
まず予想に反してドル安が進んでいる理由だ。

  • 揺らぐ大統領への信頼: 国際社会における米国の信認を揺るがし、それが通貨に影響している。
  • 双子の赤字: 財政赤字は借金増を意味し、貿易赤字はドル減価をもたらしうる。

ウィーン氏は年末までにドル高に転じると予想しているが、昨年も同じことを予想し外していると打ち明けている。

ウィーン氏は、金融政策と米債券市場についてもコメントしている。
世界経済について、金融刺激策の時代は終わったと書いている。

ドイツ銀行によれば、今年から(主要中央銀行の)毎月の買入れ額(の合計)は縮小を始め、2020年には(ネットで)マイナスになる。
もしもそうなれば、株式パフォーマンスの重要なドライバーはもはや存在しなくなる。

ウィーン氏は、米国債の買い手がいなくなることはないだろうとしながらも、投資家からより高い利回りを要求されるだろうと予想する。
理由はいくつもある。

  • FRBがバランスシート(保有米国債)を縮小している。
  • 日本・中国が米国債への投資を鈍化させている。
  • 米財政支出増・減税が財政赤字を悪化させる。
  • 2002年以来、米政府債務は名目GDP成長率の倍のスピードで増加している。

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