ピーター・シフ:株価下落が中途半端だから・・・

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、米金利上昇の背景を語っている。
株式市場の踏ん張りが、債券価格の下落を許容しているという。

「株式は下がったが、あまり下がらなかった。
債券を買わせるほどは下がらなかった。
だから債券は下がり続けている。」


シフ氏がポッドキャストで年初からの株価・債券価格について解説している。
シフ氏が注目したのは、1月末からの米国株市場の調整と債券価格だ。

「債券市場の下落にブレーキを踏むのは通常は株式市場のより大きな下落だ。
株式市場がやられ始めると、安全と考えられている債券市場への逃避が起こる。」

1月末の株価下落はボラティリティ上昇とともに起こった。
これは少なくとも市場心理を大きく揺らしたように見えた。
シフ氏はこの時の市場心理を代弁する。

『株式市場が下げている。
FRBが介入したらどうなるだろう。
パウエル・プットが発動されたらどうなるだろう。
FRBはどうやって株式市場の下落を食い止めるだろう。』

FRBが採りうるのは利上げや量的引き締めの停止だろう。
事態がさらに悪化すれば、利下げやQE4開始もあるかもしれない。
これらはすべて金利低下要因であり、債券価格上昇要因だ。
ところが、それは起こらず、債券は売られた。


シフ氏は、株価下落が中途半端だったと指摘する。
1月末からの米市場の下落は本格的弱気相場入りというほどのものではなかった。
いわゆる《調整》と呼ばれるレベルの下げでとどまった。
市場には疑心暗鬼が宿ったが、決定的なものではない。
《株は不安の壁を登る》というとおりだ。

株価下落が中途半端だったから債券への逃避が起こらなかった。
シフ氏はそう解説し、10年債利回りが近いうちに3.25%まで上昇すると予想した。

シフ氏は、金について従前どおり強気予想を述べている。

「私は最終的には金が上抜けると予想している。
現在の金利変化が米ドルにマイナスで金にはプラスであることがいつか理解されるはずだ。」

静学的にはドルの実質金利上昇はドル相場にプラスと考えるのが常だ。
シフ氏は、現在の名目金利上昇を潜在的なインフレの高まりと見ているのだろう。
そう考えると、動学的な見方から、逆の結論が導出されるようだ。

「金利上昇が経済に与える影響を考えるといい。
みんなが抱える債務のコストが上昇するために、金利上昇は経済を悪化させる。」

言うまでもなく、経済の悪化は実質金利を押し下げる可能性を持っている。


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