バフェット:能力の輪の中にとどまれ

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが5日、年次株主総会を開催した。
Reuters報道の中からオマハの賢人の金言をいくつか紹介しよう。


私は奇跡に見えるものには賭けない傾向がある。

バフェット氏は株主総会の質疑で、過去GoogleとAmazonについて判断を誤ったことを認めた。
Amazonについては創業直後から、Googleについてはビル・ゲイツ氏から話を聞いたごく初期から注目していたという。
その後、これらの株式は爆発的な上昇を遂げたが、それでもバフェット氏に後悔は見られない。

「私は自分が十分理解できていないと感じるチャンスの多くを逃してきた。
投資においては、いつか何かの球をスウィングする限り、ストライク・ゾーンの球を振らなくてもペナルティはない。」

多くのすぐれた投資家が自身の投資について共通の条件を挙げている。
自分でよく理解しているものだけに投資しろというものだ。

「私たちは、私たちの能力の輪の中にとどまろうとしている。
輪の範囲について、チャーリー(・マンガー副会長)と私は概して同意見だ。」

投資にかかわらず、ビジネスで成功を収めるには相応の理由が必要だ。
もちろん、偶然がその「理由」となることもあろう。
しかし、それは決して持続的なものとはならない。
大きな成功要因ならば1回限り、よくて数回しか得られないはずだ。
バフェット氏が極めて長い期間にわたって投資で成功を収めてきたのは偶然ではない。
勝てる理由のある対象にこだわり続けてきたためなのだ。

バフェット氏は、すでに自社最大の投資先となったAppleによる自社株買いを歓迎し、継続を予想している。
莫大な現金を抱えたAppleにはその使い道について選択肢が多くないと見透かしているのだ。


「Appleが500-1,000億ドル(約5.4-10.9兆円)のレンジでPERを向上させるような買収機会を見いだすのは極めて難しい。
周囲を見回す限り、意味のある対象を見いだせない。
しかし、彼らがすべてを知り尽くしている事業は見えている。」

Appleが他社を買うより自社(自社株)を買うことになると見込んでいるのだ。
バフェット氏はしばしば他の銘柄でもそうだったように、Appleの自社株買いによる持分増大をもくろんでいる。

仮想通貨についてはあいからず厳しい。
仮想通貨は非生産的資産だとして「想定されている希少性」の他には何ももたらさないと斬って捨てる。
バフェット氏は金についても投資対象と見ないことが知られている。
同氏は、人が何かを生み出す事業に対してのみ投資するというポリシーなのだ。

「非生産的資産を買う時には、後で誰か他の人が非生産的資産を買ってくれることをあてにしている。
これは悪い結果になる。
仮想通貨は悪い終わり方をする。」

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授は、ビットコインをディスるつもりはないとしながらバブルの典型と評している。
さらに金についても数千年続くバブルと評している。
つまり、ビットコインがサイバー空間の金になりうるかは、バブルを永く永く継続できるかによるのだ。
その長い期間には他の仮想通貨に限らず、さまざまなバブル資産が現れるのだろう。
そこを生き残れるかでビットコインの将来が決まる。
オマハの賢人はまったく明るい展望を描けないようだ。


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