ブラックロック

 

ブラックロック:実質金利がプラスになった!!

資産運用の世界最大手BlackRockのJeffrey Rosenberg氏が、米変動金利債・物価連動債を選好している。
金利やインフレが今後上昇すると予想される中、短期寄りの金利の現状の水準がデュレーション短期化を正当化しうると考えている。


利回り上昇のため、長期国債より短期国債が有利になっている。
ブラックロックでは変動金利債と物価連動債を選好している。
これらは金利・インフレ上昇へのバッファーとなる。

ローゼンバーグ氏がレポートの中で、目下のブラックロックの債券戦略を明かしている。
主たる狙いは金利・インフレの上昇への備えである。
これら上昇期には「短期米国債が限定的なリスクの下で比較的競争力のあるリターンを与える」と同氏は考えている。
米長短金利には金融・財政政策による上昇要因が加わっている。

金融政策: 利上げとバランスシート引上げにより長短金利に上昇圧力が加わりうるが、利上げについてはFRBのフォワード・ガイダンス通りの推移が予想されると言う。
「今年3回のFRB利上げはすでに市場に織り込まれており、初回利上げは今月だろう。
市場は(21日の)FOMC後にさらに1回、四半期に一度の利上げを織り込みうるが、私たちは利上げ加速はないと見ている。」

市場が織り込むFF金利(日本時間21日)
市場が織り込むFF金利


財政政策: 財政赤字拡大が金利上昇要因となり「結果、短期米国債の実質利回りは金融危機以来で初めてプラスとなり、インフレを打ち消すだけのリターンを提供している。」

米2年債(青)・10年債(緑)利回りと米コアCPI(赤)
米2年債(青)・10年債(緑)利回りと米コアCPI(赤)

2年金利は上方と下方に強い抵抗要因を抱えている。
上方にはより長い期間の金利が抵抗要因として存在する。
短期側が長期側を追い越すのは不況直前など一部の局面に限られている。
下方にはインフレとFF金利がある。
投資家はインフレ以上のリターンを短期債にも求めるため、金融緩和などが行われなければインフレが下限となるはずだ。
金融緩和が行われる場合、より短期のFF金利が下限となる。

リーマン危機前、長短金利には逆転が見られ、その後経験則通り米経済は不況入りした。
リーマン危機後、2年債利回りはコアCPI下落に寄り添うように低下し、底を打った。
先に上昇に転じたのがコアCPIであり、最近まで2年金利はコアCPIよりはるか低位で推移してきた。
2年債に投資してもインフレ分さえ取り戻せない金融抑圧の状態が続いていた。
長くマイナスを続けてきた2年もの実質金利が最近ついにプラスに転じている。

その2年金利が急激に10年金利に迫ってきている。
ブラックロックでは利上げが加速するとは見ていないが、仮に市場の一部が予想するような利上げ加速となれば、長短金利差の縮小要因になる。
これは不吉なサインだ。

ローゼンバーグ氏はクレジット商品に対して「質重視」のスタンスをとっているとし、ハイイールドではなく投資適格の証券を選好している。
デュレーションの短いものの他、15年ものMBSにも魅力を感じていると言う。


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