ゴールドマン:新たなレバレッジ

ゴールドマン・サックスは、ボラティリティ急騰をもたらした2月の株価下落を「金融の脆弱性」の先触れと考えている。
その背景には金融規制・自動売買がもたらした実質的な市場流動性の低下があるのだという。


将来の流動性の枯渇は、現在のサイクルが転換した時、株価下落を増幅する。
主要市場の出来高のほとんどが高速取引によるものとなり資金が少なくなっていることを考えれば、市場の流動性は見た目より悪い。

ゴールドマンのCharles Himmelberg氏によるレポートをBloombergが紹介している。
ゴールドマンは、今後ボラティリティが上昇するにしたがい株式リターンが低下すると予想する。
さらに、株式と債券の相関が高まり、分散投資によるリスク回避が難しくなると注意を喚起している。


市場の流動性枯渇については、これまでも多くの投資家が警告を発してきた。
低ボラティリティが続く中、リスクが過小評価されているとの指摘だった。
モハメド・エラリアン氏は2015年から足元の流動性を「幻想」と危ぶみ、ボラティリティ上昇などがあれば市場は「少なくとも1割の調整に見舞われる」と予言していた。

ゴールドマンが市場の深みが見かけより失われていると見るのには2つの理由がある。
金融規制と自動売買の普及だ。
これらが少額の自己資金で回転売買を繰り返すスタイルを生み出し、投資家にとっての資金効率は改善した。
しかし、投資家の資金効率上昇とは一面において市場のバッファーも少なくなったことを意味する。

これこそ『市場自体』がサイクル終期のリスクの1つに数えられると私たちが考える理由だ。
サイクル終期では市場は潜在的に自己満足に陥りやすい。

1998年のLTCM破綻・2007-08年のサブプライム/リーマン危機では(形を変えて)高まっていたレバレッジが市場を打ちのめした。
ゴールドマンは再び「金融の脆弱性」が高まっていると警告する。

「類似は不完全で不確実性も高いものの、我々はいくつもの理由から『流動性こそ新たなレバレッジだ』と考えている。」


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