バイロン・ウィーン:まだ2年は大丈夫だが・・・

バイロン・ウィーン氏が月例の市場コメンタリーで、年内の米市場上昇を予想した。
一方で来年以降は株式・債券ともに落胆の年になるだろうという。


「S&P 500の2018年末の目標は3,000に据え置くが、債券利回り低下による倍率上昇の延長は終わった。
債券のリターンも低下するだろう。
30年あまりにわたった債券の強気相場は終わった。」

健全な危機感を保ちつつも楽観を続けてきたウィーン氏が弱気に振れそうだ。
今月のコメンタリーでは、実に多くの政治・経済上のリスクが列挙されている。
いつもならリスクを述べる時、過度に心配すべきでないとも断るウィーン氏だが、今回は素直に悲観に結びついているようだ。
多くのリスクが金利上昇というボトル・ネックに行きつき、それが資産価格下押しを示唆している。

ただし早合点をしてはいけない。
ウィーン氏は依然、当面の株式リターンがプラスになると考えているし、足元の経済も悲観すべきでないと書いている。
今でこそ米市場は上昇基調を取り戻すほどの市場心理の回復が見られないものの、年後半を中心に企業業績の拡大によって改善すると予想されている。

「もしも債券利回りが上昇したり、利益見通しが悪化する場合には、株式の見通しも変化する。
しかし、変更の兆しはまだ見られない。
不況や弱気相場入りはまだ少なくとも2年以上先であると考えている。」


不況や弱気相場入りはしなくとも、拡大ペースの低下はすぐそこまで迫っている。
ウィーン氏は列挙した多くのリスク要因から、来年以降、株式・債券市場のリターンが低下するという。
ウィーン氏は、将来のS&P 500のリターンを6-7%と予想する。
名目経済成長率を4-5%程度とし、同程度の企業収益の改善がキャピタル・ゲインの源泉になる。
一方、配当は2%程度であり、合計6-7%という計算だ。
これは過去数年の2桁リターンよりは大きく見劣りするが、歴史的平均と同程度の数字だという。

米市場において、連邦政府の財政悪化を心配する声が高まっている。
ウィーン氏もその一人だ。

「米国債の主要な買い手が米国債購入額を減らし、米財務省が発行額を増やす状況にある。
こうした状況では、まだ起こっていないものの、金利上昇が予想される。」

こうした米国債市場の需給悪化懸念はコンセンサスになっているが、ウィーン氏の心配はそれだけにとどまらない。
米国債利回りが日独の国債利回りより高い現状を後ろ向きにとらえている。
日独側からすれば、米経済の方が経済状況が良好で資金需要があるからとの見方が多いだろう。
しかし、ウィーン氏は、米国債の投資対象としての魅力が低下している点を心配している。
それをもたらすのは、米国債自体だけでなく米ドルの弱さだという。

「双子の赤字の増加はさらにドルの重しになり、外国人投資家の米債務に対する食欲は減退し、金利を押し上げる。
大きな金利上昇を予想しているわけではないが、それでも来年にかけて10年債利回りは3.25-3.5%まで上昇しうると考えている。」


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