ジョセフ・スティグリッツ

 

UBIには大賛成できない:ジョセフ・スティグリッツ

ジョセフ・スティグリッツ教授が、ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)と社会保障制度について語っている。
UBIとは、国民の最低限度の生活を保障するため無条件に一定の金額を給付するアイデア。


私はUBIに大賛成しているわけではない。

スティグリッツ教授がCNBCでUBIを一押しにはできないと話している。
1つの制度で最低限度の生活に必要なベーシック・インカムを保証することの利点を認めるものの、教授には他の案があるのだ。

私からすれば、私たちの社会・政府の責任とは、就業が可能で意思のあるすべての人に仕事があることを保証することだ。
就業でき意思のあるすべての人がまともな給料の職につけるなら、UBIについて心配することもなくなるはずだ。

スティグリッツ教授は、こうしたまともな職への就業を保証することを社会保障制度の中心に据え、その制度にのってこない「障害のある就業できない人々」のためには別の制度で補完すべきと言う。
教授はこの提案に関して2つの重要なポイントを挙げている。


私はこの点について少々古臭いかもしれないが、仕事には一定の尊厳がそなわっている。
若い学生は、瞑想やら他の時間の使い方から多くの尊厳を得ることができると言うかもしれない。
しかし、ほとんどの人は本当に仕事をしたいと願っている。

仕事をお金を得るためだけの営みと見るべきでないとの指摘である。
同様のことはロバート・シラー教授も指摘していた。
シラー教授は「仕事はその人の重要さ、なぜ愛されるのかを定義する」とさえ語った。
仕事がお金以上なら、国民はお金をもらうより仕事をもらう方が幸福になれるはずだ。

スティグリッツ教授の2つ目のポイントはとても重い課題だ。
自動化・AI化によって、人間の職がなくなるのではないかという恐れである。
教授は、こうした変化が単純労働だけでなく「ハイテクな職」にまで広がる可能性があると言う。
政府が職を与える約束をしたくとも職がなければ実現は不可能だ。

機械がさまざまな面で高速のデータ処理ができる強みを持つだけでなく、ある限定的な領域において学習でき、ある面で創造的にさえなりうる分野は多くある。
だから、これは次の四半世紀の大きな試練になるだろう。


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