投資

ハワード・マークス TEが小さすぎる:ハワード・マークス
2020年7月12日

ハワード・マークス氏のチリ公認会計士協会のインタビュー第2弾: アクティブ運用の目的と条件について語られている。


投資で一番大切な20の教え』の第1章で書いたのは、二次的思考が一番大切ということだ。
他の人と同じことを考えれば、他の人たちと同じ行動をとることになる。
他の人と同じ行動をとれば、同じパフォーマンスになる。
平均のパフォーマンスは良い仕事とはされない。

マークス氏が重要な持論の1つ、二次的思考の重要性を説いた。
同氏は、卓越したリスク調整後リターンを上げることが(アクティブ)投資家の仕事と定義する。
そのためには、平均的な投資家とは異なるものを見、異なる考えを持ち、異なる投資行動をとらなければならない。
自らが「固有」な投資家である必要がある。
しかも、他の人より正しいという意味での「固有」でないといけない。

世の中には平均的パフォーマンスを良しとする人もいるのかもしれない。
もしそうなら、投資についてくよくよすることなど必要ない。
各資産クラスのインデックスを自分に合った配分で買えばいい。
ほぼ平均のパフォーマンスを挙げてくれるはずだ。
(わずかな手数料を払う必要はあろうが、手数料は個別銘柄を売買しても発生するからたいした差ではないだろう。)

市場は大部分が効率的で投資家のコンセンサスは大概正しいがゆえに、卓越すること、異なることは難しい。
正しくなくてはいけないが、他の人と異なることで正しくあるのは難しい。
これが投資における難題だ。

マークス氏は、投資ビジネスに入ってすぐの頃を回想する。
機関投資家として他の人と同じ行動をとり続ければ、たとえばIBM株を買っていれば、逆境の時でも批判されないと言われていたという。
自分のパフォーマンスが悪くても、他の人のパフォーマンスも悪いからだ。
(当時は、ニフティ・フィフティの時代で、後に《株式の死》を迎えることになった。)

もちろん、このやり方は投資家としての成功を目指すやり方ではない。
(サラリーマンとしての処世術ではあるのだろう。)
投資家として成功するには、正しく逆張りをしなければならない。

マークス氏は、このことを理解しない投資家が多いと嘆く。
オークツリーでは、長年投資家から「(オークツリーの)トラッキング・エラーは高すぎる」から「もっとインデックスの方にポートフォリオを近づけろ」との示唆を受けてきたのだという。
トラッキング・エラーとはあるファンドとインデックスの間のパフォーマンスの乖離だ。
劣った成績のファンドなら、この示唆は正しいのかもしれないが、ファンドの成績とは悪いと決まったものではない。
せっかく優れた成績を上げてきたものに(おそらくリスク管理の観点から)平凡な運用成績を求めることになりかねない。

マークス氏は、ある投資家からの書簡を紹介する。

『貴社のトラッキング・エラーは小さすぎる。』
この顧客は卓越した理解をしているんだ。
この顧客は、アクティブ運用に運用手数料を払うなら、ベンチマークをアウトパフォームするためにベンチマークと異なるポートフォリオを持つ能動的な決断をしなければならないことを理解しているんだ。


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