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チャーリー・マンガー SPACは文明を愚かに、モラルを堕落させる:チャーリー・マンガー

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ株主総会 第8弾: バフェット氏、チャーリー・マンガー氏がSPACについて質問に答えている。


「SPACは殺し屋のようなものだ。
SPACは通常2年のうちに集めたお金を使わないといけないと理解している。
つまり、2年のうちに企業を買収しなければいけない。」

バフェット氏が定時株主総会で、SPACについてコメントした。
SPACの流行のせいでバークシャーの投資機会が減るのではないかとの質問への回答だ。
同氏は、日本人にとってなじみのないSPACの現状について語っている。

バフェット氏は数年前SPACを手掛けている有名人から電話をもらったという。
用件は再保険について勉強したいというものだった。
その会話から、SPACのメンタリティを理解したという。

「『6か月のうちにこのお金を使わないと、投資家に返さなければいけないんだ。』と彼は言った。
つまり、異なる数式なんだ。
他人のお金を投資できればアップサイドを取れる。
何もできなければ、お金を返す。
率直にいって、私たちはその点で競争力がない。
永遠には続かないが、今はそこにお金が集まり、ウォール街はお金のあるところに群がる。」

投資の目的が投資リターンでなく、投資家から受け取るフィーであれば、意思決定のあり方は大きく違ってくる。
バフェット氏は儲かる投資しかしないだろうが、SPACは運用者(スポンサー)がフィーを受け取れる限り実行するのかもしれない。
そうなれば、バークシャーが買う前に、売り物はすべてSPACが持って行ってしまうだろう。

バフェット氏は、SPACを難敵と見るだけではない。
SPACを「ギャンブルのような市場の極端な例」と問題視し、昨年からの給付金が株式市場で新たなギャンブラーを生んだ点を警戒している。

「ギャンブルが悪いわけじゃない。
州の宝くじより分がいいんだから。・・・
ギャンブルの衝動は世界中の人々にとってとても強いもので、しばしば大きな現象を生み出す。・・・
誰も、時計が12時を打ち、馬車と馬がカボチャとネズミに戻ったと教えてはくれない。」

バフェット氏は、市場・経済に不測の事態を引き起こさないか、個人投資家を不幸に陥れないかを心配している。
一方、チャーリー・マンガー氏は、意見を促されると、いつものように歯に衣を着せぬ辛辣極まりないレトリックでSPACを批判した。

「私は、手数料目当ての買収と呼んでいる。
言い換えれば、良い投資のための買収ではなく、運用報酬のための買収だ。
もちろん、たくさん報酬をとるほど、文明は愚かになっていく。
さらに、いくらかモラルが堕落する。」

投資業に対するマンガー氏の誇りのようなものを感じさせる発言だ。
バークシャーは通常の投資ファンドとは大きく異なる。
投資ファンドは投資家から資金を集め、投資残・リターン等に応じた報酬を受け取る。
一方、バークシャーは株式や債券(、保険業の保険料)として資金を集め、運用してリターンを上げる。
(保険の部分を除けば)バークシャーの取り分は投資リターンだ。
(もちろん、保険の部分が大きいのも事実だが、それが保険業だ。)

マンガー氏は、SPACに対し愚かだけでなく恥ずべきことと批判した。
仮にここまで厳しく批判する理由を理解していなくても、この辛辣さが同氏のファンにはたまらない。
バフェット氏がトラブルを避けるような言い回しをするのに対し、マンガー氏は思ったことをストレートに述べる。
今回の総会でも、マンガー氏の炎上を避けるためにバフェット氏がフォローする場面が何度かあった。
このテーマでもバフェット氏がフォローしている。

「私はたくさんの人がギャンブルをすることが恥ずべきこととは思わない。
ギャンブルは人類の本能だ。」

マンガー氏はこうした気遣いに無頓着だ。
より辛辣な言葉で本音を話している。

私は運の悪い奴がギャンブルをするのは構わない。
嫌いなのは、プロが巻き上げようとすることなんだ。


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