ブラックロック

 

ブラックロック:高配当 vs 増配

執筆:

資産運用の世界最大手BlackRockのKate Moore氏が、現在の景気サイクルにおける高配当銘柄の落とし穴を説明している。
同氏は増配銘柄に目を向けるよう奨めている。


株式市場は十字路に差し掛かっている。

ムーア氏が自社ブログで書いている。
強気相場が9年も続き、世界同時の景気拡大と米財政刺激策が企業収益だけでなく金利まで押し上げているからだ。
1月末に始まった市場下落では、底堅いとされてきた高配当株も調整を逃れえなかったとムーア氏は指摘する。

「この売られは世界経済が堅調に拡大する中で起こった。
今回の勢いは、投資家が低ボラティリティに賭けていたというテクニカル要因を別とすれば、金利・インフレの上昇に対する恐怖によるものだ。」

割引キャッシュフロー法で言えば、分子の企業収益は依然堅調だが分母の割引率が上昇したと言いたいのだ。
ムーア氏は、こうした変化が高配当株を10年ぶりに債券との競合に追い込むかもしれないという。
これまでの低金利で、高配当株はアップサイド(株式の性質)を有しながらも下げは限定的(債券のような性質)といいとこどりだった。
ところが、名目金利の本格上昇が心配されると、金利上昇期の債券のように底が抜ける心配が出てきたのだ。

ムーア氏が検証したところでは、名目金利上昇が諸セクターに及ぼす影響には、内外問わず、明白な傾向が見られるという。


  • ディフェンシブなセクター: 保有のための機会費用(調達金利)増大とともに悪化。
  • 景気敏感セクター: 景気拡大とともにパフォーマンスが改善。

多くの投資家はこのタイミングについて誤解をしているかもしれない。
景気サイクルが終期に差し掛かり金利が上昇し始めると、投資家の中には株式の弱気相場入りを予想してディフェンシブ銘柄を増やそうとする人がいるかもしれない。
しかし、ムーア氏の指摘した事実からすれば、これは逆効果ということになる。

「ほとんどの市場で企業収益が最高水準になるという経済的背景に反して、実際にキャッシュフローを増やすことのできない企業が(ディフェンシブ・セクターで)見られる。
これら事業が弱いことはアンダーウェイトの根拠となる。」

景気サイクル終期では、ディフェンシブ・セクターは収益でも株価でも不利と言いたいのだ。
ところが、もう少しサイクルが進展すると話は変わってくる。
経済が縮小期に入ると、ディフェンシブ株はアウトパフォームに転じるのだ。

増配を可能とする財務力を備えそれに前向きな企業群は、高い配当利回りだけでなく、よりよいポートフォリオ・プロテクションを与えてくれる。
増配銘柄はまた『全天候型』の性質が強い。
長年の低金利とインカムに飢えた投資家のために買い上げられた高配当株に比べて、増配銘柄は比較的魅力あるバリュエーションを示している。


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