グッゲンハイム:2019-20年に不況入りへ

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Guggenheim PartnersのScott Minerd氏が、2019-20年の米不況入りを予想した。
米国株市場は、不況前の最後のひと上げを2018年に迎えるだろうという。


(不況到来は)2019年終わりか、より可能性が高いのは2020年の第1四半期だろう。

マイナード氏のCNBCでの不況予想が次第にピンポイントに絞られてきた。
サブプライム/リーマン危機は家計のレバレッジ過多により引き起こされ、家計と消費が打撃を受けた危機だった。
今回は企業のレバレッジ過多による不況であり、企業のデフォルトのほか、商業用不動産で問題が大きくなるだろうと言う。

マイナード氏は、現在が景気サイクル終期だと断言し、金融・財政政策が逆を向いていることを指摘する。

  • 財政政策: トランプ減税等の財政政策が景気を強く刺激し、経済成長を加速させている。
    すでに完全雇用に近かったため、賃金・物価は上昇圧力を受けている。
  • 金融政策: 物価に上昇圧力が加われば、完全雇用と物価安定を使命とするFRBは金融引き締めを進めざるをえない。
    金利を上昇させ、信用を抑制することになる。

このいずれもが金利に上昇圧力を加えているとマイナード氏は指摘する。

「減税の景気刺激効果が2019年に経済に行きわたるようになると、企業は突然高い金利負担に直面することになる。
・・・金利がどんどん上昇すると、記録的水準にある企業の債務は返済がどんどん難しくなっていく。
ある時点で、経済が成熟を始めキャッシュフローは安定し下落し、みんな利払いが難しくなっていく。」


こうしたシナリオが想定されるはずなのに、企業にはリファイナンスの動きが見えないという。
企業が予定するキャッシュの使い道は
・自社株買い: 40%
・M&A: 40%
・従業員へ還元: 10%
・配当支払い: 10%
などと言われており、ここにはレバレッジを増やす要素はあっても減らす要素は見られない。
マイナード氏によれば、短期金利が3%になれば、米企業のフリー・キャッシュフローの水準は過去の不況と同レベルまで低下してしまうのだという。

だからといって早まってはいけない。
マイナード氏も「最後のひと上げ」を主張する1人だ。

来年は、関税の先行きにかかわらず、株式はおそらく上昇を続けるだろう。
自社株買いやフリー・キャッシュフロー(増大)によるものだ。
結局は因果応報で不況がやってくる。
デフォルトが増加し、特に株式は強いプレッシャーを受け、ピークを打ってから40%下落すると予想している。

さらにマイナード氏はその先に、FRBの市場救済が起こると予想する。
アラン・グリーンスパンの時代から、FRBは市場の救世主だった。
マイナード氏は2つのケースを引き合いに出した。

  • 1987年の利上げ: ブラック・マンデーが起こると、FRBはすぐさま利下げに転じた。
  • 1997年の利上げ: アジア通貨危機が起こると、FRBは逆に舵を切った。

マイナード氏は、多くの投資家と同様、こうした中央銀行の市場介入を批判的に見ている。

明らかにそうした外生的な事象が起こり、基本的にはリセットが行われる。
しかし、そのすべては問題解決を将来に先延ばしし、過剰がさらに積み上がるのを許してしまう。
私たちが乗っているいる衝突コースが先延ばしされ、おそらくより悪い結果になるだけなんだ。


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