レイ・ダリオ:今はリスク資産にとって最悪の時

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏は、現在が資産保有において最悪の時期だと話している。
ディフェンシブでバランスのとれたポートフォリオを心がけるよう説いている。


「失業率は低く、中央銀行は金融政策を引き締めている。
これは価格構造に反映される。
だから、今は資産保有にとって最悪、リスクの高い時期なんだ。」

ダリオ氏が印CNBC-TV18で話した。
この指摘を理解するには、世界の資産価格に大きな影響を及ぼしてきた要因を理解する必要がある。

「今日、資産価格は目いっぱいにかなり高く評価されている。
各国の中央銀行が量的緩和を行い、金融資産を買い入れたからだ。」

中央銀行による金融緩和は、それが利下げだろうが量的緩和だろうが、金利を引き下げる要因となってきた。
金利の低下は資産の理論価格を計算する上で分母となる資本コストを低下させ、理論価格を上昇させた。
この単純な仕組みが実際に世界のリスク資産の上昇を後押ししてきた。
ところが、その政策が岐路を迎えている。
米FRBはすでに金融政策を逆転し、ECBも追随の意思を示している。
日銀でさえステルス・テーパリングや長期金利ターゲットの許容幅拡大によって事実上のブレーキを踏み始めている。

だから、株式・未公開株・不動産などのリスク・プレミアムは拡大し始めた。


投資家が、リスク・テイクに対して高いプレミアムを要求し始めている。
これはベースとなる金利の上昇とともに資本コストの上昇要因となり、資産価格を下押しする。
ダリオ氏は、この変化が今日明日といった差し迫ったリスクではないと言いつつも、投資家に油断しないよう奨めている。

サイクルのこの局面では、投資家はよりディフェンシブに、特にポートフォリオのバランスを保つよう心掛けなければいけない。

ダリオ氏は従前から、一般の投資家には先を読まず、ポートフォリオのバランスをとる方法を奨めてきた。
その上で、ブリッジウォーターの代名詞 オール・ウェザー・ファンドのリスク・パリティ戦略が参考になると話してきた。
一方で、今回は「よりディフェンシブに」とも言っている。
パリティを保つこととディフェンシブにすることとは必ずしも一致する概念ではない。
解釈は2つだ。

  • パリティを崩して、ディフェンシブな投資対象を増やせという推奨
  • パリティを一定に、投資対象のリスク評価を変化させた

いずれの場合も意味するところは同じだ。
よりリスクの高い資産クラス(上場株・未公開株・不動産を含む)を減らせということだ。


 - 海外経済, 投資 , , ,