ケネス・ロゴフ:誰にもわからない

元IMFチーフ・エコノミスト ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授が、米経済・中国経済について話している。
「わからない」を繰り返すところに、現在の予見不可能な経済の実態が見て取れる。

「現在の中立金利はどこなのかまったくわからない。
あまりにも多くの変化が起こっている。
あたかも宇宙にいて、振り回されて、どこにいるかもわからないような状態だ。」


ロゴフ教授がCNBCで話した。
経済や社会で大きな変化が進行しており、中立金利を意味のある精度で推計できるような状況にはないと示唆したものだ。
教授は、FRBが慎重に舵取りしていると評する一方、FRBにも中立金利がどこにあるかわかっていないだろうと言う。
もしも、中立金利と政策金利の位置関係で金融政策を考えるなら、今は暗中模索の状態だ。
しかし、それでもこれまで米国は緩やかながらも長期の景気拡大を遂げてきた。
ロゴフ・教授はコンセンサスを代弁する。

「『このまま行こう。
インフレは長い間起きていない。
様子を見よう』というものだろう。」

わからないのは中立金利だけではない。
インフレや賃金にも謎がある。
ロゴフ教授によれば、経済に多くの変化があり、経済学者もインフレが起こらない理由を理解できていないのだという。
その上で、長く続いてきた論争:


  • いつかインフレが起こり、制御できなくなる。
  • 経済は停滞を続けており、インフレなど起こらない。

のいずれ側が正しいのかを見守りたいと話した。

そして、もう1つわからないのが米財政の持続可能性だ。
トランプ政権と共和党による減税・歳出増は今後急速に米財政を悪化させると見られている。

「繰返して申し訳ないが、誰にもわからない。
これは、どのように調達しているかにもよる。
米国は比較的短い期限で調達しており、メイン・シナリオではないが、金利が上昇したら、よくないことになるだろう。」

こう言いながらも、そうなるまでにはまだかなりの時間があるだろうとも付け加えた。

中国もわからないことだらけだ。
わかっているのは、中国経済が減速していること。
わからないのは、それがどれほどか。
政府自体が信じていないのが、中国の経済統計だからだ。

次にわからないのは、政府が経済減速にどう対処するか。

「中国は高い住宅、米国のピークよりはるかに高水準の建設に依存している。
空のアパートや高い住宅をどう処理するか、大きな疑問符がつく。」

ロゴフ教授は、中国が外需、つまり輸出で経済を立て直す道はないと話す。
それは、トランプ大統領のしかける米中摩擦の有無には関係ないと言う。

中国は諸外国より速く経済成長しており、最終的には誰にも輸出できなくなる。


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