ジム・ロジャーズ:唯一残る仮想通貨

ジム・ロジャーズ氏が、仮想通貨関連業者のインタビューで仮想通貨に死刑宣告をした。
ブロックチェーンと仮想通貨は別物と断った上で、仮想通貨は無価値になると予想した。


ビットコインとブロックチェーンはまったくの別物だ。
私はブロックチェーンに対しては極めて強気だ。
すべてのものを変えるだろうし、多くの人の仕事を奪うだろう。
電気も多くの人の仕事を奪ったが、電気を使うのを止めようと言う人はいない。
電気が世界を変えてくれたからだ。
仮想通貨が消えるかと言えば、無価値になるだろう。

ロジャーズ氏がシンガポールでAMTVのインタビューに応じた。
仮想通貨とブロックチェーンを一体のものと結びつけて仮想通貨を売り込もうとするのは、この業界のいつものやり口だ。
(日本にもそういう政治家がいる。)
そうしたレトリックに乗ることなく、ロジャーズ氏はぴしゃりとやっている。
ゼロへの道はすでに始まっていると話した。

ただし、ロジャーズ氏はある種の仮想通貨が持続可能である可能性を指摘している。

「政府発行の仮想通貨は残るかもしれない。
政府が運営するようになるだろう。」

政府発行の仮想通貨についてはIMFのラガルド専務理事が検討を奨めたり、いくつかの国で導入が検討されたりしている。
キャッシュレス化との関係もあり、主要国で実現する可能性もなくはない。
これに対し、民間の仮想通貨業者は脅威と感じるのか、否定的な意見が見受けられる。


「仮想通貨をやっている人たちは、いつも自分たちが政府より賢いと言う。
その通りだ。
すべての人が政府より賢いんだから。
でも、政府は銃を持っていて、それを向けて言うだろう。
『それ(仮想通貨)を使ってはいけない。』」

ロジャーズ氏は19世紀前半の英国の話をした。
英国でイングランド銀行券が法定通貨となったのは1933年。
それまでは、法律上は何を通貨として使ってもよかった。
真偽のほどはわからないが、ロジャーズ氏はそれまでの通貨の例として金、コイン、紙幣、砂糖、貝殻などを挙げる。

「世界の金融・経済で最も重要だったイングランド銀行が
『今後、イングランド銀行券以外を(お金として)使った者は反逆罪とする』
と宣言した。
反逆罪とは、処刑するという意味だ。
それで貝殻、角砂糖など、イングランド銀行がお金と定めたもの以外を使う人はいなくなった。
仮想通貨が大きく広まって、政府が、独自の仮想通貨か反逆罪かを選択させるようになれば、同じことがまた起こるだろう。」

仮想通貨関連業者のインタビューに対して、ロジャーズ氏は「無価値になるだろう」と言い切る。
ここではまったくサービス・トークを見せなかった。
そして、インタビュアーとそれ以上の議論をすることもなかった。
仮想通貨を売り込む材料を与えたくなかったということもあるのだろう。
ロジャーズ氏からサービス・トークを引き出し、それをセールスに使われるのではかなわない。

議論する必要はないんだ。
1年、2年、5年のうちにゼロになるか、40兆円市場になるかは市場が決めることだ。
私はショートはしないし、もちろんロングもしない。
もしも40兆円市場になったら、振り返って言うよ。
またミスちゃったとね。


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