マーク・ファーバー:中央銀行プットは機能しない

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が投資家向け月例書簡で世界の資産市場の変化への注意を喚起している。
最近、年寄りの話がありがたく感じられるようになった。


資産市場における大きな変化は常に曖昧な形で訪れることを読者に警告しなければならない。
そうした変化の発生時には巨大な混乱と乖離がともない、長期トレンドの変化を曖昧にし、大多数の投資家に誤解を与えるからだ。
さらに、大きなトレンド変化はむしろ珍しい出来事だ。

ファーバー氏が月例書簡で書いている。
大きな変化が起こる時、経済も市場も動揺が続く。
それに紛れて変化を見極めるのが難しくなるが、大きな流れを見誤ることのないようアドバイスしている。
ファーバー氏は、ボルカー・ショック前の投資の現実を回想している。

1970年代の最良パフォーマンス資産
原油 34.7%
31.6%
米国のコイン 27.7%
23.7%
切手 21.8%
中国陶器 21.6%
ダイヤモンド 15.3%
1970年代の最悪パフォーマンス資産
債券 6.6%
株式 6.1%

インフレに苦しんだ時代を反映して、実物資産優位の市場環境が見て取れる。
金融資産の利回りも悪くは見えないが、これは名目リターンだ。
高インフレの時代には、こうした数字ではポートフォリオの購買力を維持するのは難しかったろう。
このインフレにボルカーFRB議長(当時)の超引き締め政策がストップをかけた。


「すべては1981-82年に変化し、株式と債券が最良パフォーマーに躍り出た。」

この逆転には極端なセクター・ローテーションがともなっていた。

「1970年代、貴金属と原油の価格が高騰したために、最良のパフォーマンスを上げた株式は鉱業、エネルギー関連だった。
しかし、1980年に原油と貴金属の市場が崩壊すると、これら株式のパフォーマンスは悲惨なものとなった。
一方で(自動車を含む)景気敏感、食品、証券の株が飛び抜けたパフォーマンスを見せた。」

市場は再びインフレ時代に戻るのか、それとも別の形の時代が来るのか。
ファーバー氏はそれには触れていない。
ただ、変化にともない痛みが走ることを予想している。

ファーバー氏は、今年、世界中で資産価格のパフォーマンスが伸び悩んでいる点を指摘する。
その上で、これまで市場を支えてきた中央銀行プット(金融緩和)は今回も発動され、機能するのかと自問する。

私は検討するにつれ、ある見方に傾いている。
それ(中央銀行プット)は機能せず、来たる資産デフレが世界経済とほとんどの資産価格に悲惨なインパクトを及ぼすだろう。


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