イェスパー・コール:日本の企業文化が許さない

元JPモルガンの日本経済アナリスト、イェスパー・コール氏が、カルロス・ゴーン容疑者について語った。
日本の企業文化や日産経営陣の思いについて代弁している。


(日産で)起こったことはとてもシンプルで直接的なことだ。
・・・責められているのは、個人の利益のための企業会計の不正・操作だ。
これは、日本の企業文化が許さないことの1つだ。

日本愛に満ちたコール氏がCNBCで、日本の企業文化を米金融界に説明している。
一部のオーナー企業はともかく、日本の大企業で経営者の不正が行われる時、その多くは虚飾や組織防衛の本能に基づくものが多い。
コール氏は東芝やオリンパスの例を挙げ、ほとんどの日本企業の不正が一個人の金銭的利益のために行われたものではないと説明した。
もちろん、その場を繕いたいという意味で個人の利益ではあろうが、決して経営者が巨額の資金を一個人のポケットに入れるような話ではなかった。
むしろそうした犯罪は、経理部門等の不心得者が起こすことが多い犯罪だ。
コール氏は、日産の事例が特異であるとし、厳しい裁定が下ることになるだろうと予想する。


海外では、日産が会社としてゴーン容疑者の捜査・逮捕に協力した点をとらえてクーデター説を唱える人が多い。
こうした経緯は、ゴーン容疑者への同情論を生みやすい。
その点で、内外では温度差がある。
コール氏は、日産で経営者の不正が告発されたことが日本の企業統治にとって好ましいことと話す。

しかし、本当に重要なのは犯罪の摘発だけではない。

「2つ目の観点、企業提携の観点から言えば、まずカルロス・ゴーンは正しい。
自動車会社は多すぎ、統合していかなければいけない。
まさに彼がやろうとしていたことで、彼は正しい方向に向かっていた。」

コール氏は日産の20年を振り返る。

「20年ほど前には日産は破綻状態にあり、日本企業は触れようともしなかった。
ルノーがホワイト・ナイトとして名乗り出て救済し、カルロス・ゴーンは驚異的な仕事をした。
日産を日本、世界で最も高収益な企業に転換させた。」

かつては「迷子」だった日産が見事に立ち直り、株主のルノーよりも隆盛になっている。
その立役者はゴーン容疑者だったが、だからと言って、手柄の後いつまで巨額報酬に浴するかは議論があろうし、ましてや不正を用いていいはずはない。
自分は知らなかったと言い訳するなら、それも経営者失格というべきことだろう。

日産の日本人の経営者たちは、(日産こそ)この提携の中の最も強い部分であると感じており、したがって提携の運営のしかたに対して発言する権利があると考えているんだ。
・・・
でも議決権はない。
これを変えないといけない。
これこそ日産の経営陣が模索している戦術だ。


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