ゴールドマンのモデルが示唆する市場の過剰反応

ゴールドマン・サックスが、自社の経済モデルから導出される重要指標の目の子計算の係数を公表している。
その数字を見る限り、金融引き締めや財政悪化に対する市場の反応は過剰であるように見える。


「私たちの目の子計算では、失業率が1%ポイント低下すると賃金上昇を0.35%ポイント押し上げるものの、コアPCEインフレ率についてはより小幅な0.1%ポイントしか上昇させない。」

ゴールドマンのDaan Struyven氏らのレポートをBloombergが紹介している。
これを見る限り、労働市場をさらに逼迫させても、インフレ懸念は大きくないことになる。

そのほか主な関係を見ておこう。

FF金利1.5%ポイント上昇(6回分)が及ぼす影響

  • 米10年債利回り: 45 bp上昇
  • 株価: 9%下落
  • ドル: 4%上昇
  • 期待の変化ははるかに小さな影響しかもたない

ここから示唆されるのは

  • 来年末までの利上げ回数に対する市場の織り込みは2-3回まで落ちている。
    そのとおりなら金利・株価・為替への影響もかなり小さくなる。
  • あと6回利上げするとFF金利3.50-3.75%、米長期金利は(他の要因がなければ)3.5%+になることになる。
    つまり、イールド・カーブはフラット化することになるが、6回はあってもかなり先の話。
  • 利上げの株価・ドル相場への影響はかなり小さい。

財政赤字対GDP比率1%ポイント増加の影響

  • 米10年債利回り: 20 bp上昇

この関係を用いて、米財政悪化の米長期金利への影響を試算してみる。


ゴールドマン目の子計算を用いた米財政赤字の長期金利への影響試算
ゴールドマン目の子計算を用いた米財政赤字の長期金利への影響試算

間違いではないかと疑うほど小さな変化になっている。
これなら借金した方がいいようにさえ思えるほどだ。
国債市場の需給を考慮したのだろうかと首を捻るばかりだ。

景気後退リスク

  • 2年内: 26%(主に金融引き締めにより今年5%ポイント上昇)
  • 3年内: 43%(過去平均と同水準)

こちらも現状の弱気風の吹く市場センチメントを考えると楽観的に見える。
3年内とならない、つまり次の景気後退が2022年になる確率が過半とされている。
もしもそうなら、市場はあと2年は強気相場継続と予想することになろう。


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