政治

ソロス陰謀論をFacebookが利用した
2018年11月19日

デジタル・プラットフォームの影響力をいまさら紹介する必要はないが、それが極めて恣意的に用いられている点は私たちの想像をはるかに超えているようだ。
Facebookが、自社への批判をかわすためにジョージ・ソロス氏による陰謀説を捏造していた疑惑が報じられている。


今般Facebookが広告代理店を雇いデジタル政治活動家ジョージ・ソロス氏とOpen Society Foundations(OSF)の信用を貶めていたことがさらに明らかとなった:
この主要デジタル・プラットフォーム企業は単にデマを振りまくキャンペーンを主催しているだけでなく、それを組織化し推進していたのだ。

ソロス氏が1993年に設立したリベラル系の財団OSFが15日、プレス・リリースでFacebookへの怒りを露わにした。
OSFと言えば、The Financial Pointerでも再三取り上げているメディア・サイトProject Syndicateの母体となっている団体だ。
確かにリベラル色が強いものの、日本で言えば安倍首相をはじめとして保守層からの寄稿が多い。
決して極端に偏向したリベラルではない。
ただ、世界各地で人権・教育・医療・メディア助成のために高額の寄付を行っている。
それが気に入らない誰かが近年、ソロス氏やOSFにかかわるフェイク・ニュースを書き立てている。
OSFはFacebookに要求する。

「OSFは、Facebookが世界中の民主主義の敵から吹き込まれた行いに従事するのをやめるよう促す。
Facebookは何が起こったのかを明らかにするため独立調査機関を設け、活動家やジョージ・ソロスの名声を傷つけるために用いられた手法をすべて開示すべきだ。」

自社への批判を逸らすために

いったい何がOSFにこう言わせたのか。
それは15日のThe New York Timesの記事にあった。
今年4月、マーク・ザッカーバーグCEOが上院公聴会において情報不正流出事件の釈明をしていた頃、シェリル・サンドバーグCOOは批判者を叩き、非難の矛先をかわすための工作を行っていたのだという。

「Facebookは抗議する活動家の信用を貶めるため、対立勢力を調査する会社を雇った。
その一環で、リベラル派の資産家ジョージ・ソロスと活動家を結びつける宣伝をした。
また、その事業上の取引先も動かし、ユダヤ系人権活動家グループにFacebookを反ユダヤ的と批判させるよう働きかけた。」

つまり、Facebookと対立するソロス氏とユダヤ人という構図を作り上げ、後者の陰謀論を醸成しようとしたのだ。

(次ページ: 汚れ仕事は外注で)


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