ドラッケンミラー:すべてはいつも流動性

かつてジョージ・ソロス氏率いるクォンタム・ファンドの運用に12年間携わり莫大な利益をもたらしたことで有名なスタンリー・ドラッケンミラー氏が、米国株ショートの顛末を語った。
そのトレードを確信した理由を明かし、より大きなナラティブに言及した。


「私は今年何回かショートを仕掛け、少なくともまだ生きているが、ショートしたのを後悔している。
あの時は7-8月の季節性のほか、(FRBが)バランスシートを以前より1兆ドル縮小していくという前例のない状況に着目した。
これで私はショートを確信したんだ。」

ドラッケンミラー氏がReal Visionに米国株ショートのポジションについて語った。
その語り口にはくよくよしたところがない。
トレーダーらしくすっぱりと割り切っている。
失敗を恐れていてはトレーディングなどできないから、小さな失敗を本気で悔やんだりしない。
むしろ、ユーモアを交えて語っている。
そして、自身が今最も重視する点を明かしている。

うまくいかず、私は顔面血だらけになり、今では人生について考えている。
でも、私にとってのすべては企業収益でも政治でもなく、すべてはいつも流動性だったんだ

ドラッケンミラー氏は、FRBやECBが金融政策正常化に舵を切る中で、市場もこの重大さを認識していると思っていたという。
だからこそ直に米国株が売られると考え、何度かショートを試したのだ。
これらのポジションはうまくいかなかったが、ドラッケンミラー氏はまだあきらめたわけではない。


「私の仮説は、(FRB)利上げのいずれか、どれかはわからないが、いずれかが(流動性収縮の)引き金になるというものだ。
私はこれをとても警戒している。
・・・
もしも第4四半期に急騰があれば、それは季節的に特にNASDAQのテクノロジーの市場でよくあることだが、もしも新興国市場が混乱を続けていたなら、年末あたりに大勝負に出るだろう。」

ドラッケンミラー氏は、世界全体の中で、各国の中央銀行で起こっていることが何であるかを考えている。
それは、大きなジグゾーパズルのいくつかのピースなのだという。
そして、そのピースの1つである日銀が金融政策の舵を逆に切る可能性について言及している。

「すぐにでなくても、年末までに起こる可能性がある
同時にECBが債券買入れをやめ、同時にFRBは月500億ドルずつバランスシートを縮小させている。
すべてのピースが(非伝統的金融政策の)清算に向かうと告げている。」

ドラッケンミラー氏は、この方向性こそ「全体のナラティブとしてとても重要」と指摘する。
さらに、こうした方向性の背景が浮き彫りになりつつあるという。
各国の中央銀行が金融政策を正常化しようとしているのは、経済上の理由ではなく、政治的理由によるものだと解説した。

「彼らはついに気づいたんだ。
経済を動かすために必要な血と酸素を供給してくれる銀行を殺しつつあることを。
それが政治的問題を引き起こした。」

日銀は金融政策正常化からもっとも遠いところに取り残されている。
ドラッケンミラー氏は、その日銀を容赦なく当てこすっている。

(他の中央銀行が)正常化までの証拠集めに25年もかけないことを願っている。


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