ハワード・マークス

 

ハワード・マークス:安く買う方法

Oaktree Capitalのハワード・マークス氏が、資産を安く買う方法を明かしている。
至極当然のことなのだが、投資家としてのガッツを感じさせるところが面白い。


知的な投資の形には1つしかない。
それは何か価値のあるものを見つけ(その価値より)安く買うことだ。
その点で不良債権投資も違わない。

マークス氏がウォートン校での講演会で話した。
投資の本質は《Buy low, sell high.》だ。
その前半部分をクローズ・アップした言葉になっている。
マークス氏は現在の米景気の拡大が終盤に近づいているとして、すでに約85億ドルのディストレスト債ファンドを用意している。
安く買えるチャンスが近いと読み、虎視眈々と買い場を待っているのだ。

「もしも安く買えれば、もしもそういう判断を保守的な仮定に基づいて下せれば、その上利ざやがとれる余地があるなら、それが許容される誤差の範囲になる。」

《Buy low》を実現するための1つの要件は、何に対して安いのか、資産の価値を見極める力にある。
それは将来の《Sell high》が可能かどうかを教えてくれる。
そこで注意すべきなのは、ただやみくもに保守的であればいいというわけではないことだ。


「私は、この許容範囲は保守的な仮定を用い、さらに寛容なリターン率を見いだすことのできる能力から来るものと考えている。
・・・保守的であればあるほどいいというものでもない。
保守的であるがゆえに決して損をしないように行動することもできるが、それではターゲットに対しあまりにも低い価格しか提示できず、何も買えないで終わるだろう。
ある意味一歩踏み出して少々楽観を織り込まないかぎり、何も買わないで終わる。」

何かの資産がどこまでも安く買えるならそれは理想的だ。
しかし、そんなことはまずありえない。
あまりにも安い買値を提案すれば、ターゲットは他に買われてしまうだろう。
これこそ、慎重すぎて指値注文が出来ることのない投資家の姿だ。

マークス氏には、次の資産価格下落局面が視野に入っている。
買えない投資家の姿を思い浮かべてこう言った。

「物事が大混乱に陥り街が血の海になると、ほとんどの人は両手を挙げてこう言う。
『私たちはナイフが落ちるのが止まるまで、土煙が落ち着くまで、すべての不確実性が解決されるまで買わない。』」

しかし、実際に不確実性が解決する頃には資産価格はリバウンドしている。
市場は現実の先を走りたがるものだ。
マークス氏は、投資家としてのガッツを鼓舞するように語った。

私たちは(市場が)混乱してナイフがまだ落ちている時に買いたいんだ。
落ちるナイフを掴むのを拒んでも、何もしないことを合理化するだけだ。
私たちの仕事は、落ちるナイフを掴むことなんだ。
これが安く買う方法だけど、やるなら注意してやるべきだ。


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