レイ・ダリオ:景気後退入りのタイミング

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、中間選挙の意味合いについてコメントしている。
本当の問題は、景気後退入りが2年後の米大統領選の前になるか後になるかだという。


「これ(格差)がポピュリズムを煽る。
米国をはじめとして、ポピュリズムのために対立が先鋭化している。
これは左右の間の闘争であり、極端主義がはびこるようになる。」

ダリオ氏がCheddarに米中間選挙の含意を語った。
米政治では中道が存在価値を発揮しにくくなっている。
右派も左派も極端なポジショニングをとった者が票を集めている。
中道が廃れ、国が分断されたのである。
ダリオ氏は、こうした現象を引き起こした時代背景を2点挙げている。

  • 技術が人間に置き換わっている。
  • 中央銀行の大規模量的緩和により資産価格が大きく上昇している。

この結果、富める者が専ら恩恵を受け、富の格差が拡大した。
そこで台頭したのがポピュリズムだ。
このポピュリズムは右派でも左派でも台頭している。


「右派のポピュリズムは資本家を助けるので市場にとっていいものなんだ。
市場に勢いを与えた主因は法人減税だ。
・・・
最近のブラジルのように、株式市場の結果を見れば、概して右派のポピュリストが選挙に勝つと好転している。」

米国でも日本でも右派のポピュリズムが市場を上昇させたと言えるだろう。
一方、左派のポピュリズムが台頭することになれば、それは力づくでの再分配を迫ることになろう。

ダリオ氏は、米国・世界の将来リスクが非対称に存在していると見ている。
アップサイドよりダウンサイドの方がはるかにブレ幅が大きくなると心配する。
ここで言うアップサイドとは景気拡大の継続であり、ダウンサイドとは景気後退入りだ。
金融緩和も財政出動も余地が小さければ、景気後退を跳ね返す術は少なくなる。
今後も左右の対立が先鋭化し、さらに景気後退となれば、政治・社会に与える影響は大きい。
ダリオ氏は、中間選挙は短期的なイベントにすぎないと言う。

本当の課題は2年後の大統領選だ。
本当の疑問は、景気サイクル終盤にあって、中央銀行の金融引き締めやその他の状況が、大統領選前に景気後退を引き起こすか否かだ。
ドラマは今と大統領選の間に起こる。


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