ロバート・シラー:恐怖とカオスが市場を脆弱に

ロバート・シラー教授が、米国に立ち込める恐怖とカオスのムードを指摘している。
米中間選挙の結果によらず、これが強気のナラティブを崩す可能性があるという。


「今日は選挙の日で、ドナルド・J・トランプ たった1人の日だ。
制度上は彼についての投票ではないが、みんなの考えの中では彼についての投票だ。
ナラティブはそれほど強まっており、伝染している。」

6日ロンドンでのシラー教授の発言をBloombergが伝えている。
さまざまな意味で異例づくめの中間選挙だ。
米国で新たな大統領が誕生すると、当初2-3年は寛容に迎えられるのが通例だ。
ところが、トランプ大統領の2年間は対立と分断の2年間だった。
人々は強い関心を寄せ、選挙戦は熾烈となり、投票率も高い。
大統領もメディアも、大統領に対する事実上の信任投票と位置付けている。

「もしもトランプが負ければ、彼の支持者が負ければ、それがカオスをもたらすかもしれない。
選挙前のこのところのボラティリティは、何かカオスと関係するものだったように感じた。
トランプは、メキシコの行列に発砲するかもしれないと言い、それを撤回した。
野蛮でいやな話だ。」


負けはある意味で決まっていた。
何を負けというかにもよるが、改選議席で劣勢だった下院について民主党が議席を増やすのは必至だった。
過半数はいかないのではないかとの声も聞かれたが、開票が始まると数時間で米メディアは民主党過半数を報じた。
上院については改選議席について民主党がすでに圧倒的多数を占めていたから、民主党は過半数を獲れなかった。
しかし、改選議席の過半を得たのは間違いないし、この議席については6年このままだ。
これらがシラー教授の言う「負け」に該当するなら、米市場はカオスを迎えることになる。

シラー教授は、これまでのトランプ・ラリーが今後も継続するファンダメンタルズ上の裏づけはないと指摘する。
にもかかわらず、市場は高くまで上げてきた。
これがリスクを大きくしている。

現在のナラティブはドナルド・トランプが減税・規制緩和の人というものだ。
それらしく見えるから市場と企業収益も上昇するが、これらは一次的なものにすぎない。
それでも市場は意に介していない。

市場は過去の材料だけを見て自己満足に陥っているように見える。
こうした自己満足はいつか何かのきっかけで突然崩れるものだ。

「米国は今、恐怖とカオスの入り混じる奇妙なムードにある。
結果がどっちに転んでも、これが株式市場をさらに脆弱にする。」


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