ハワード・マークス

 

ハワード・マークス:何に投資するかではない

Oaktree Capitalのハワード・マークス氏が、今後数年、投資家が中心に据えるべきテーマを語っている。
何に投資すべきかではなく、攻めるか守るかの方がはるかに重要になるだろうと言う。


「市場を機械と捉えることはできない。
その動作には回路図があるわけではない。
市場は面白いことを捉えて、しばらくプラスに解釈したかと思うと次にはマイナスに解釈する。」

マークス氏がBarron’sに話した。
市場は理屈通り動くものではないし、ランダムな出来事も起こりうる。
市場の先行きを読み切ることはできない。
だから、確率現象として捉えることが重要というのがマークス氏の信条だ。

攻めか守りか、それが問題だ

その上で、現在とるべきスタンスをこう語る。

「私にとっての主な問題は、今は攻めの時か、守りの時か、だ。
私はもうしばらく大いに守りの時だと考えている。」

では、攻めと守りの選択はどう下せばいいか。
市場は確率現象であるとの前提に立ち、現状の経済状況に照らして考えるとこうなる。

「ほとんどの投資家にとって、2、3、5年のタイムフレームで見て、ポートフォリオの攻め/守りを正しく見定めることが最も重要な決断になる。
もしも、攻め/守りを正しく見極めれば、何を選択するか、どの株を買うか、株か債券か、米国か外国か、小型株か大型株か、グロースかバリューかは大した意味を持たなくなる。
もしも、ポートフォリオの攻め/守りについて間違えば、他のすべてのことは助けにならない。」


日頃ファンダメンタルズに基づいた投資判断を重視しながらも、マークス氏はそれより重要なことがあると言う。
それが、景気・市場サイクルを見切ることであり、将来の確率分布を推し量る材料となるものだ。
その要因の影響度は現在とても大きくなっており、銘柄選択等の影響度を大きく上回ると予想しているのだ。

サイクルの局面が将来リターンを決める

マークス氏は、サイクルにおける位置と将来リターンの確率分布の関係を説明する。

「サイクルが上がっていくことは、価格が概して価値と比較して上昇することを意味する。
そうなると将来リターンの確率分布は左にシフトし、儲けが難しく損しやすくなり、期待リターンは低下する。
逆に、サイクルが低い時期に買うことができれば、価格が根源的価値に比べて低いことが多く、将来リターンの確率分布は右にシフトする。
つまり、損しにくく儲けやすくなり、期待リターンは高くなる。」

要するに《Buy low, sell high.》ということだ。
どこがLowでどこがHighなのかを知るためにサイクルを知る必要がある。
マークス氏は、リスクを管理すること、今がサイクルのどこかを知ることが投資家にとって最重要な2つの仕事だと言う。
2つは互いに関係しており、今がサイクルのどこかを知ることがリスクの主たる決定要因になると考えている。
それほど今回のサイクルが終盤に近付いているとの考えがあるのだろう。

(次ページ: 市場の体温を測れ)


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