ハワード・マークス

 

ハワード・マークス:世界最悪の4語

Oaktree Capital Managementのハワード・マークス氏が、市場の正気について話している。
10月の市場下落で、市場は正気を取り戻しつつあり、バリュー投資の有効性が戻りつつあるという。


「市場に正気が戻ったのは興味深いことだった。
10月以前は資産価格は高く、ある種の不確実性に対してもリスク選好する振る舞いが見られ、私を困惑させた。
10月になるとみんなそうした不確実性の源泉が存在することに気づいた。
それが市場を直撃し、価格は下げ、ある面バリュー・アプローチの有効性を証明したんだ。」

マークス氏が中国国営CGTNで、ファンダメンタルズを重視したバリュー投資の手法がいまだに健在であることをアピールした。
近年、バリュー・アプローチを採用したファンドの不調・閉鎖が目立つ。
2009年以降の強気相場では、FRBを始めとする中央銀行の金融政策が資産価格上昇に強く寄与してきた。
そんな中で、バリュー投資の存在価値が主張しにくくなっていたのだ。
異例の流動性相場の中では、流動性の大波に乗りやすいモメンタム銘柄が有利だったし、なんとなれば手数料の安い指数連動ETFを買うだけでも大きな利益を得ることができた。


投資対象の中身(ファンダメンタルズ)は関係ない。
市場には余った流動性があるのだから、何かを買わざるを得ない。
こうした相場環境では、理屈で説明しきれない上昇についてオール・マイティな理由付けがなされることが多い。

「『it’s different this time』は私が「世界最悪の4語」と呼ぶ偉大な言葉だ。
これは古いルール・古い規範には意味がないと主張するもので、とても危険だ。」

マークス氏は、1999年から本格化したドットコム・バブルを思い出す。
利益、場合によっては売上さえ上げていない企業に、ドットコム関連というだけで気の遠くなるような値段がついていた時代だ。
この時代、あの4語が多用された。

「みんな言った。
『でも、インターネットは世界を変えるんだから、今回は違うんだ。
あなたは年を取り過ぎて理解できないだけだ。』」

その結果は皆が知るところだ。
マークス氏は、世界は通常違ったりしないと達観する。
通常は利益を上げる企業のみに価値が存在し、したがって利益や株価倍率が重要になると話す。

この話は資産クラスやセクターに限ったことではなく、地域についても同様だとマークス氏は考えている。
同氏によれば、オークツリーは中国投資でも米国と同じバリュー原則に基づいて慎重に投資していると明かす。
それは可能だし、結果を出してきたと胸を張って話した。


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