ジム・ロジャーズ:過大債務の解決策が債務拡大??

ジム・ロジャーズ氏が、米国ほかの債務問題についてコメントした。
米国、世界は金利上昇と大惨事の二者択一を迫られることになるという。


「中国は問題を抱えている。
・・・しかし、米債務は今週も拡大したとの発表があった。
・・・債務はあらゆる国で天井破りの勢いだ。」

ロジャーズ氏がThe Income Generation Showで、中国の債務問題について尋ねられコメントした。
確かに中国の債務拡大ペースは急激だ。
しかし、債務の深刻さで言うなら、日米も決して人を嗤えない。
奇しくも(あるいは当然のこととして)世界のトップ3の経済がいずれも債務問題に喘いでいる。
それでも経済成長というお題目の下。債務拡大にブレーキを踏めない。
成長がなければ財政再建はありえないというロジックで、金融緩和が好まれ、財政再建が後倒しにされる。
成長が軌道に乗ったら財政再建を進めるという言い訳が何十年も続いている。

「もしも過大債務の解決策がもっと債務を作ることなら、すばらしい解決法だ。
私は人生でそういうことを聞いたことがない。
過大な債務を抱えそれから脱出しようとしている国で、さらに多くの債務を作ることで解決した国を見たことがない。
でも、うまくいくのかもしれないね。
ワインスタイン氏(セクハラ・強姦を繰り返した映画プロデューサー)が問題を解決するためにもっと多くのガールフレンドを必要としたような話なのかもね。」


やや不謹慎な喩えではあるが、人間の醜怪さをよく示す皮肉だ。
債務に中毒・依存した財政運営が、基軸通貨国の信用に影を落としている。
米国債は増発されるのに、FRBは金融政策正常化のために米国債買入れを減らしている。
だぶつく米国債の受け皿になる投資家はいるのか。

「中国がどうするかなんてどうでもいい。
米国は米国債を買ってくれる人をたくさん必要なんだ。
・・・でも、もちろん誰かが(買うのを)止めるだろう。
・・・止めるなら、それが誰であろうととてもとても心配すべきだ。」

受け皿が見つからないなら、米債利回りは上昇することになる。
これが何を意味するかは、10月に経験したばかりだ。

ロジャーズ氏は、金利上昇についてある程度は先延ばしも可能かもしれないという。
FRBがQEで行ったように、米国債などを買い入れれば米金利に低下要因として働く。
しかし、ロジャーズ氏は、そうした金利抑制の持続可能性に疑問を呈している。

人類の歴史上、これほどの低金利は類がない。
数年前まで世界の40%超がマイナス金利だった。
この低金利が不合理なものであれば、金利は正常な水準に戻るか、あるいは、いつかさらに甚大な惨事を迎えることになる。

投資戦略について尋ねられると、いつものとおり、自身はマーケット・タイミングがうまくないこと、うまくやれる人はやればいいことを断った上で、逆張りを奨めている。
バリュー投資でいう《安全域》と同じ考えだ。

「私は安値で長く見過ごされてきたものを買うのが好きなんだ。
それなら間違えても大きくはやられない。
しかし、競争している列車に飛び乗って間違えれば大損するし、自分もそういう経験をしたことがある。」


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