ハワード・マークス

 

ハワード・マークス:優れた投資家の要件

Oaktree Capitalのハワード・マークス氏が、優れたと投資家の要件について語っている。
投資家がリターンを上げるのは当然のことで、優劣を決めるのはむしろリスクへの姿勢にあるのだという。


「リスクをコントロールできていることがプロの証拠になる。
市場が上がっている時は誰もが儲ける。
そして(米)市場はほとんどの期間上がっているんだ。」

マークス氏がゴールドマン・サックスのインタビューに応えた。
米市場は趨勢的に上昇を続けてきた市場だ。
長く上昇期が続いた後、短期間急落が起こる。
ところが、ほどなくして市場は回復し、再び最高値を更新していく。
こうした市場で投資家がプラスのリターンを上げるのはむしろ当然のことだ。
また、リスクを多くとれば(平均として)リターンが大きくなるのも当然だ。
では、投資家の優劣とは何か。

私の意見では、優れた投資家を区別する基準とは、いい時にリスクをコントロールした上でリターンを得ているかだ。
なぜなら、いつ環境が有利から不利なものへと変化するかはわからないからだ。
市場が10上げる時12儲け、市場が10下げる時12失うのでは、何も達成したことにはならない。

マークス氏は、優れた投資家の要件の1つをリスクのコントロールと考えている。
そして、2つ目は、景気・市場のサイクルの理解、現在がどこかについての理解だという。


「私は将来を予見できるとは考えていない。
どこに向かっているかはわからない。
現在を理解すべきなんだ。
サイクルの中で現在の市場がどこかを理解することは、将来のオッズについて教えてくれる。」

世界はランダムな現象に溢れているから、サイクルを理解したからといって明日何が起こるかを予見することはできないとマークス氏は言う。
しかし、現在を理解する人は、将来起こりうることをよりよく理解し、その確率分布についてより的確な予想を立てることができる。
それを持続的に行える人は優れた投資家になれるのだという。

マークス氏は、市場サイクルと人々の心理、とりわけリスクに対する考え方の間に重要な関係が存在すると指摘する。
人々のリスクについての考え方は、市場に極めて大きな影響を及ぼすという。
マークス氏は、強気相場と弱気相場における典型的な市場心理を代弁する。

  • 強気相場
    「リスクは友達だ。
    リスクをとった分、お金が儲かる。
    リスクをとることが心地よい。
    ところで、私は今のところリスクが近づいているとは考えていない。
    だから、どんどん持っておいで。」
  • 弱気相場
    「リスクを抱えることは損をするもう1つの方法だ。
    もう1セントも市場に投資したくない。
    もう損をしたくないので、いくらでもいいからすべて処分したい。」

マークス氏は、こうしたリスクへの態度の変動が市場の変動を招く主因と考えている。
だからこそ、投資家はファンダメンタルズだけでなく、他の人が考えていることにも注意を払うべきなのだという。


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