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ブラックストーン:実質金利上昇局面の資産クラス選択

Blackstoneのジョー・ザイドル氏が、強気予想を継続している。
前回のインフレについての分析に続き、実質金利の観点からも株式が有利との結論だ。


現在の市場環境は、パウエルFRB議長のタカ派的な発言の解釈の結果であり、その解釈とはこうだ:

  • FRBプットは終わった。
  • 実質利回り(米10年債利回り-コアCPI)上昇がついに株式バリュエーションに打撃を与え始めた。

ザイドル氏が月例コメンタリーで現在の市場の弱気ムードを代弁している。
同氏は、市場が右往左往しているからこそ、投資家はファンダメンタルズを見直し、冷静に分析・判断すべきという。
米経済・企業収益などファンダメンタルズは力強い。
ザイドル氏は、現在の強気相場が近いうちに終わる可能性が低いと結論している。
同氏は市場で語られるいくつかの不安材料を払拭する。

  • 実質金利上昇: 株式のアンダーパフォームの前兆ではない。
  • 株式ボラティリティ上昇: 常に株式のアンダーパフォームの前兆となるとは限らない。
  • 債券ボラティリティ上昇: 上昇しているが、異常に高いわけではない。

前回のコメンタリーでザイドル氏はインフレが各資産クラスのパフォーマンスに及ぼす影響を検証した。
今回は、名目金利のもう1つの要素である実質金利の影響を検証している。
長期的な金利の底かもしれないと考えられている2016年以降の実質金利の推移を見ておこう。


米10年実質利回り(TIPS、青)とS&P 500(赤)
米10年実質利回り(TIPS、青)とS&P 500(赤)

この期間で米国株がある程度大きな調整をしたのは今年1月と10月だけだ。
これを見れば、実質金利上昇が株価下落に結びつくとの類推が働く。
しかし、過去を長く振り返ってみれば、異なる結論が見えてくるのだという。

重要なのは、実質利回り上昇が株式のアンダーパフォームの前兆ではないということだ。
実際、1970年以降、実質利回りが2%超上昇した期間、債券がアンダーパフォームする中、小型株と大型株のリターンはそれぞれ23%、19%だった。
実質利回りがマイナスからプラス圏に至る期間について同じ分析を行った場合でも、株式は大きくアウトパフォームしたのだ。

1970年以降の実質利回り上昇期 1) のトータル・リターン 2)

小型バリュー 約26%
小型グロース 約25%
小型株 23%
大型グロース 約20%
S&P 500 約20%
大型バリュー 約19%
大型株 19%
現金等価物 約4%
社債 約2%
国債 約-3%

1) 2%以上の上昇があった期間。
2) 1年以上に及ぶ場合は年率換算。

ザイドル氏の結論はこうだ。

「現環境では小型株が大型株より有利で、債券は金利上昇と実質利回りの上昇で圧迫されている。
投資家はこの環境でアウトパフォームしうる株式のポジションを組んでおくべきだ。」


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