ピーター・シフ:2007年と同じだ

Euro Pacific Capitalのピーター・シフ氏が、お家芸とも言える金融危機到来説を披露した。
すでに兆候は見えているとして、米ドル資産からの退避を奨めている。


FRBはこの問題に対処し債務返済を促すかわりに、金利をゼロに保ち債務を長く保有することで米国を堕落の道に導き、債務の沼をさらに深くした。
FRBは債務過多だった国家にさらに借金するよう助長したのだ。
このため現在すべての米社会の部門(家計、企業、連邦政府・州政府・地方)がレバレッジを高めている。
みんなが債務を積み上げている。

シフ氏がロシア国営RTで、米社会の至るところで積み上がる債務について警告している。
同氏は金融危機の本質を「債務が返済できなくなること」と説明している。
リーマン危機の2008年すでに米社会には莫大な債務が存在した。
正面から問題を解決するのであれば、これを減らすのが道であろうが、FRBはそれと逆行する方法を選んだ。
金利を押し下げゾンビ債務者を生み出し、多すぎる債務の一部をFRBが引き受けたのだ。
シフ氏の持論は、こうした金融緩和が米経済にバブルとその崩壊を繰り返させてきたというものだ。

「何が起こるかと言えば、ついに金利が上昇し、これは債務の返済負担が大きくなることを意味している。
これは、2008年アジャスタブル・レート・モーゲージが金利のリセット(引き上げ)時に陥ったのと似た問題になる。
債務者が返済できなくなる。
同じことが国家の規模でも起こる。
金利は上昇し、米国が債務返済できなくなる。」

シフ氏は、この結末が不可避だと言い切る。
非伝統的金融政策を長く続けてきた分、崩壊もはるかに大きくなると予想する。


すぐに現実に直面していればよかったのだが、政治家は誰も現実を直視しようとしない。
政治家は、すべてがうまくいっているふりをしたいんだ。

かつて共和党から上院議員を目指したシフ氏は、その後リバタリアン党に接近するなど、小さな政府を標榜している。
そのシフ氏からすれば、減税はいいとしても歳出削減は許せない政策となる。
トランプ政権がバラマキや軍拡を進めている現状を厳しく批判する。
歳出を増やし、減税を行うという財政政策が状況をいっそう危険なものにしているという。

「単に経済的危機がやってくるだけでなく、政治的危機もやってくる。
共和党が責任を負わされ、社会主義が解決策と見なされるようになるからだ。
2021年にそれが実行されれば、問題がさらに悪化する。」

シフ氏にとっては小さな政府こそが理想であり、社会主義的政策は選択肢にはないのである。
政策の是非はともかく、そうした変化が米社会を大きく揺さぶることだけは間違いなさそうだ。
だから、市場へのインパクトもいっそう深刻なものになるのかもしれない。

シフ氏の目には危機の兆しがすでに見えている。

「株式市場は下落しており、すでにS&P 500構成銘柄の40%は弱気相場入りしている。
株式市場は次の景気後退を予感しているんだ。
住宅建設会社、住宅株、金融株、小売株を見れば、みんな危機に向かっていた2007年と同じことが起こっている。」

シフ氏は、投資家に危機への準備を奨める。
これまでは危機時のドル買いだったところを、ドル資産からの退避を進めている。
ドル相場が大きく下げると予想しているからだ。

外国の株式市場で、ドル高で下げてバーゲンになっているものを探せ。
ドル安になった時にブームになるはずだ。

また、金と金鉱株についても従前どおり推奨している。

「過去の高値は2011年の1,900ドルだったが、今回ははるかに高くなる。」


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