ドイツ:法人税率に下限を

Olaf Scholz独財務相が、法人税の税率に下限を儲けるよう国際社会に提案している。
国際間での底辺への競争を防ぐためのものという。


ドイツは米国を怒らせるのがいやという面もあってこうした(デジタル税)の取り組みに反対してきた。
デジタル税が明らかに米国の巨大テクノロジー2社に向けられたものだからだ。
ショルツ大臣は代案を提起している。
そちらの方がより一般的で、国際間の税制の差を利用する節税行為にどう対処するかという継続的な国際的協議に資するものになっている。

Handelsblattがショルツ大臣の提案について報じている。
ドイツが前向きでなかったデジタル税とは、国境と関係なく事業を展開するインターネット企業などに対する課税アイデアだ。
こうした企業がEU内の顧客に対して上げた売上高に対し(例えば3%などの)一定の税率で課税を行うことが提案されている。
事実上GoogleとFacebookを決め打ちした税と考えられている。

米国などの多国籍企業では、アイルランド法人を利用する租税回避策が用いられることが多い。
同国が企業誘致のために極めて低い法人税率を設定し、さまざまな減税措置を講じているからだ。
本国よりも大幅に納税負担を減らせる一方、利益計上とともにアイルランドに資金を積み上げることになる。
こうしたことが行われると、米国が受け取るはずだった法人税収が減る。
アイルランドでも(低税率等のため)たいして法人税収は稼げず、かわりに個人の所得税収等がいくらか増えるかもしれない。
しかし、おそらく米国とアイルランド合算では税収は減り、雇用はたいして変わらない。


アイルランド法人が米国に配当を支払えば、米国での税収が発生する。
ところが、ブッシュ(Jr.)政権でもトランプ政権でもこのレパトリについて減税をしてしまう。
企業はこの機を逃さないから、結局、米国に税収は戻ってこない。
先進国のほとんどが財政問題に苦しむ中、財政刺激策の名のもとに税収の一部がほぼ無意味に喪失している。
つまり、取る方も取られる方も自国の都合とバラマキばかり考えるあまり底辺への競争に陥っているのである。
ジョセフ・スティグリッツ教授は以前、米会計制度の欠陥を指摘した上で、Appleを名指しし、その租税回避行動を「詐欺」と断罪した。

Appleのハードウェア事業の場合モノの移動をともなうからそれでも課税のチャンスはある。
ところが、サービスがすべて仮想空間で完結するデジタル・サービスとなると問題はさらに複雑だ。
これに対してEUが提案し協議が進んでいるのがデジタル税というわけだ。

一方、ショルツ大臣のアプローチはより「税源浸食と利益移転」(BEPS)の問題に直接的に取り組もうというものだ。
BEPSとは、企業が(違法ではないものの)国際間で利益を移転させ節税を図ることで、国の側に税源浸食をもたらしてしまうことを指す。
2012年OECDは国際課税ルール見直しのため「BEPSプロジェクト」を発足させ、2015年最終報告書を公表している。
Handelsblattは、ショルツ大臣の提案を「BEPS 2.0」と持ち上げ、OECDや各国が少なくとも検討することに合意していると伝えている。

では、その提案はどう機能するのか。
例えばアイルランドで極めて低い実効法人税率の恩恵を受けている企業があったとする。
その場合、例えば独税務当局が最低法人税率に足りない部分を徴収してよいとするのだという。
これを、不公平のないようすべての企業に適用するというのだ。

ただし、これが国際的な税制にかかわる話し合いであるため、一朝一夕に進むことはない。
EUではまずデジタル税が協議され、実施されることになるだろうという。
最低法人税率は、それと入れ替えるか否かの検討になるだろうという。


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