海外経済 政治

グリーンスパン:4-5%のインフレでの物価統制
2018年10月21日

インフレは政治を不安定化する

グリーンスパン氏はトランプ政権による法人減税にも言及した。
「役立つもの」とする一方で財源がない点を問題視した。


「大きな財政赤字を作れば、必ずとても悪い結果を生むことになる。
法人減税は全体の話の半分にすぎない。」

財源がともなうなら減税は善だが、そのようなうまい話はほとんど残っていないといいたいのだ。
しかし、その財源や財政について大衆ばかりか金融界まで無頓着だとグリーンスパン氏はいぶかしむ。
みんな都合の悪い話から目を逸らせているという。

金融コミュニティが直面するのを心配しているのは(年金)会計ではなく、インフレだ。
1971年には4-5%のインフレでリチャード・ニクソンは物価統制を行った。
インフレ率が上昇すると政治が極めて不安定化するからだ。
年金そのもののためではないんだ。

グリーンスパン氏は、人々の関心事が政府の懐ではないとCNBCで示唆した。
政府の借金が増えようと、人々は自分の借金とは捉えない。
むしろ、それによりインフレが起これば自分の懐が痛むから問題だ。
ましてや年金減額となれば大問題だ。
だから、財政問題は放置され、それによるインフレが心配されている。

利下げばかりの政治家たち

徐々に米国でインフレは望むものではなく心配事であるという感覚が戻りつつある。
それもあってFRBは利上げを進める。
ところが、これをポピュリズムの権化のような大統領が批判する。

「1人じゃなかったよ。」

グリーンスパン氏はCNBCで、自身を批判した大統領がブッシュ(父)だけではなかったと回想した。
そして、節操のない政治家たちにきつい皮肉を浴びせている。

「FRBの歴史のほとんどで、特に最近はそうだが、すべての大統領が市場の働きとあるべき金利について見識を持ち、常にFOMCに優越してきた。
最良の対処法は、耳栓をして聞かないことだ。
私はFRBに18年半いたが、利下げを求める無数の書類、請願、依頼などを受け取った。
政治の世界で金利が低すぎるので利上げすべきという人の例を知らない。」

その上で、ジェローム・パウエル現議長を「一級のFRB議長」と賞賛し「彼ほど有能な人がやっているから、FRBがやっていることに心配していない」と語った。


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