ガンドラック:イタリア債の下落は続く

新債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、欧州市場の火種を指摘した。
イタリアの混乱はまだまだ続くだろうという。


イタリア10年債利回りは6か月前に2018年の底を打った。
それから約200 bps上昇した。
これはかなりの弱気相場だ。
そして、まだ終わらない。

ガンドラック氏が18日ツイートした。

イタリア10年債利回り(青)と独10年債利回り(赤)
イタリア10年債利回り(青)と独10年債利回り(赤)

欧州が再びきな臭くなってきた。
イタリア政府の2019年予算案はEUの定める財政規律から逸脱しており、欧州委員会から厳しい警告を受けている。
S&Pもムーディーズも月内の格付見直しを予定しており、格下げの可能性もある。
これを受けて、イタリアとドイツの長期金利差は同じ通貨でありながら3%をゆうに上回る水準に拡大している。

欧州の火種はハードBrexitだけではないようだ。
欧州が再び不安定になれば、独国債は買われるのか、売られるのか。
売られるとすれば、それは米長期金利にどれほど影響を及ぼすのか。
ガンドラック氏は従前より米独長期金利間のある経験則に注目している。


ガンドラック氏は政治についてもツイートしている。
民主党所属のカリフォルニア州選出Kamala Harris上院議員が公表した減税案についてだ。

「カマラ・ハリスの左派的なアイデアは本当に妙だ。
所得50千ドル未満の家計は、50千ドル以上100千ドル未満の家計より少ししか受け取れない。
米家計の所得のメジアンは59千ドルなのに。」

ハリス議員の案によれば、50千ドル未満の家計は年3千ドルの税額控除を与えられ、50千ドル以上100千ドル未満の家計は年6千ドルなのだという。
弱い者の味方の民主党なら50千ドル未満を半額とする必要はないのではないか、ガンドラック氏はそこをチクリとやったのだ。
ハリス議員は今回の中間選挙で改選とはならないが、味方の援護のためにバラマキのスローガンを掲げたのであろう。
そのため、貧しい層ではなく中間層を狙いにいった。
米国では再配分を嫌う人も多く、貧しい層に手厚くすることはアンチを増やすことでもある。

ジェフリー・サックス教授は、ビル・クリントン政権が米民主党を変質させたと言っている。
ニューディール以来、弱い者のための党だったのに、突然エスタブリッシュメント、特にウォール街の利益代表者に変質してしまったと嘆く。
米政治とは極端なまでにマーケティングが発達した営みだ。
票田を稼ぐために市場セグメントでのポジショニングが行われ、巨額の資金で広告・宣伝が打たれる。
政治家たちは、為すべき政治が何かよりいかに政治家としての地位を守るかを優先する。
こうしたことが続く限り、ポピュリズムと金権政治が続くのも当然かもしれない。
といういうことは、中間選挙もどうなるか読み切れないのではないか。


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