デニス・ガートマン氏が、米国株市場について弱気相場入りした可能性があると話している。
同氏によれば、米国以外の世界市場ではすでに弱気相場入りしているという。
米国は間違いなく景気拡大の極めて終期にある。
FRBは引き締め過ぎて、イールド・カーブを長短逆転させるだろう。
ガートマン氏がFOX Businessで話した。
同氏は米経済について、来年あるいはもう少し早く減速するだろうと予想する。
そして経験則どおり、景気後退の前に株式市場が下落するはずという。
米国以外の株式市場ではすでにピークをつけたとし、米市場も今ピークを打っている可能性があると話した。
「もしも積極的にロングしているならロング・ポジションを縮小した方がいい。
もしもロングしていないなら、様子見を決め込むべきだ。
世界中で弱気相場が始まった。
米市場はそれをオフセットしてきたが、それも終わりだろう。」
米市場は一時の急落から立ち直ったように見える。
それなのになぜガートマン氏は弱気相場入りの可能性を指摘するのか。
理由は出来高にある。
出来高はトレンドに従うものだ。
上昇した日に出来高が下がり、先週のように下げた時に出来高が拡大する場合は極めて要注意だ。
まだ上げる日があるうちに保有株式を売却してポジションを小さくするよう奨めている。
ガートマン氏がここまで弱気に振れるのには理由がある。
1つは、これまで最大の買い材料だった減税がすでに市場に完全に織り込まれたことだ。
「その効果は新しい材料じゃない。
新たな減税があるかもしれないが、私は実現性を疑っている。」
では、何が上げの材料になりうるのか。
それは、2009年からの長い長い強気相場を支えてきた「株式市場のガソリン」だ。
「調整後マネタリー・ベースは2015年以降減少している。
FRBは系にガソリンを注ぎ込むのをやめたんだ。
いまやガソリンを取り除こうとしている。」
ガートマン氏は、FRBのバランスシート拡大こそが景気拡大と強気相場の最大の支柱だったと考えている。
それが逆転を始めた今、株価が弱含むのも当然のことなのだ。
この厳しい環境での投資戦略として、ガートマン氏は、流動性の高い債券ETF(おそらくデュレーションの短いもの)を奨めている。
「現金に近い性格で、最適の投資対象だ。
今後数か月はそこに逃げると良い。」
金融環境に基づく弱気とは、いわば資本コストにかかわる弱気だろう。
株価の構成要因にはもう1つ、企業収益がある。
米経済が好調で、企業収益もまだ崩れていない中、ガートマン氏は早々と弱気相場を疑っている。
別のFOX Business番組ではこれについて語っている。
企業収益は20-25%拡大するかもしれないが、それはたいして重要ではないんだ。
ガソリンがなくなったのに、来月・来四半期の利益の傾向・能力は恐ろしく高いとされている。
これは大きく減少する可能性が高い。