レイ・ダリオ:投資家がまず学ぶべきこと。

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、投資家が最も陥りやすい誤りを指摘している。
それは最近の出来事がいつまでも続くという思い込みだ。


「人々が犯す最大の過ちは、最近よかったことをやればよい結果になると考えることだ。
市場が大きく上昇すれば、割高になったと思うのではなく、いい相場だと考えてしまう。
(市場が下がれば)『相場が悪いから何も買いたくない』となる。」

ダリオ氏がCNBCに語った。
投資家とは往々にして近視眼的なものだ。
最近起こったことがいつまでも起こり続けると思い込む。
特に一度少しばかり成功してしまうと、二匹目、三匹目のドジョウを狙おうとしてしまう。
しかし、それがいつまでも成功するとは限らない。
経済や市場は循環しており、居所を変えているからだ。

ダリオ氏は、投資家がまず学ぶべきは細かなテクニックではないという。
それ以前に、経済や市場が周期的な変動(サイクル)を繰り返していることを肝に銘じるべきと話す。
その一番華々しい局面がバブルの発生とその崩壊だ。

「バブルがどのようなものかを理解し、バブルがどのように崩壊するのかを知らなければいけない。」

ダリオ氏の近著『Big Debt Crises』はこの問題意識から書かれたものだ。
過去の債務危機のパターンと事例研究がコンパクトにまとめられている。


サイクルを理解すれば、投資家の意思決定には変化が起こるはずだ。
市場が上がった時、まだ上がると思い込むのではなく、そろそろ売るべきではないかと考えるようになる。
市場が下がった時、すべてを売って市場から手を引いてしまうのではなく、バーゲン・セールを物色すべきと考えるようになる。
ダリオ氏は、群衆心理から離れ、サイクルを理解して行動すべきと説く。

大半の人とは逆をやれ。
バブルで売り、崩壊で買うんだ。
・・・
サイクルを理解し、サイクルの逆を行くことだ。

同様のことをつい最近ジェレミー・シーゲル教授も話していた。
その上で、それを実行するのは難しいとも言っていた。
なぜなら、サイクルを読み切るのは、いわばマーケット・タイミングを成功させることを意味しているからだ。
これは、理論の世界では不可能とされていることだ。
(もちろん、限られた期間・限られた分野で成功することはありうる。)

もちろんサイクルを理解しないことは投資家にとって自殺行為だ。
しかし、サイクルを理解したからといって、成功が約束されているわけではない。
この点について、ダリオ氏は以前、バランスのとれたポートフォリオを目指すよう説いている。
上がるか下がるかを予想するのではなく、上がったら売り、下がったら買うルールを自身に課すことで「Buy high, sell low.」ではなく「Buy low, sell high.」を実現しようというものだ。
ルールを決めることは、投資家を群集心理から解き放ってくれるのである。


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