エラリアン:イールド・カーブはスティープ化へ

独Allianz首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、米経済と金利の見通しについて語った。
米金利は上昇を続けるとしたが、イールド・カーブは景気後退の兆しとなるフラット化でなく、スティープ化が進むという。


米経済は成長という意味でとてもいい状態にあり、投資を引き寄せるという意味でもいい状態にある。
・・・これが少なくとも今後数年は続く。
今年・来年が3%成長になっても驚かない。

エラリアン氏がCNBCで、米経済に対する自信を語った。
かつて15年勤務したIMFは9日、来年の米成長率予想を2.7%から2.5%に下方修正した。
エラリアン氏はIMFの見方を悲観的すぎるとし、財政刺激策により政府支出が増加しているほか、家計支出、企業投資も上向いていると反論した。
景気拡大は長く続いているが、ペースも緩やかであり、長く続いたことが景気後退の理由とはならないとした。

米経済発の景気後退は現状考えにくいとする一方で、外国発の景気後退はありうるという。
考えられるケースは2つだ。

  • 米国自身が貿易論争をエスカレートして貿易戦争を引き起こす。
  • 欧州や新興国世界で大きな混乱が起こる。

このうち前者についてはエラリアン氏は楽観している。
土俵が2国間協議となれば、米国が交渉負けすることは考えられず、貿易相手国は深手を回避するため早期に妥協するはずだという。


ならば、脅威は外国経済の波乱ということになる。
エラリアン氏は従前から、米経済が他の経済を大きく引き離し、両者のダイバージェンスが進んでいると指摘してきた。

金利のダイナミクスは完全に金融政策のダイバージェンス、経済のダイバージェンスと合致している。
問題は(一国の利上げが)他国の何かを破壊するのかだ。

経済が好調で金融政策正常化が進む米国では金利が上昇している。
エラリアン氏は、米金利上昇が継続し、イールド・カーブはフラット化でなくスティープ化すると予想する。

一方、経済回復に手間取り、金融政策正常化が進まない経済は低金利のままに据え置かれている。
低成長・低インフレ・低金利ならば状況は分かりやすい。
しかし、成長とインフレに乖離があると判断は難しくなる。

「ECBは特に難しい状況にある。
インフレ上昇に対処しなければならないからだ。
利上げを加速するかどうかとても真剣に検討しなければならない。」

欧州では物価目標が達成されつつあるが、安易に利上げに転じれば、十分でない経済回復の勢いを殺してしまうかもしれない。
ドラギECB総裁の任期は2019年10月まで。
この任期中に利上げを開始するとの観測が強まっている。

「ECBは、来年夏の終わりではなく夏の真ん中、初めに利上げを開始する可能性もある。
最後の最後まで(時期を)選択肢としておこうとするだろう。」


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