ハイ・リターンな市場で起こっていること

Bloombergがレバレッジド・ローンとジャンク債の違いについてレクチャーしている。
順風満帆に見える米経済にもところどころ危うさが隠れているようだ。


レバレッジド・ローン市場は拡大しており、ジャンク債市場は縮小している。

いずれも投資不適格の債権であり、ハイ・リスク/ハイ・リターンだ。
この似た者同士に見える投資対象の間で、勢力図に変化が起こっている。
2005年には2.5億ドルだったレバレッジド・ローン市場は2008年に5.9億ドルまで成長。
リーマン危機でわずかに縮小したものの現在は10億ドルを超える規模になった。
レバレッジド・ローンとはどのような取引をイメージすればいいのか、買収ファイナンスの例を理解しておこう。

買収者である未公開株ファンドが買収資金をローンで調達する。
ローンはLIBORなどの基準金利にスプレッドをのせる形で定め、他にもコベナント(借り手が守るべきルール・基準)を結ぶ。
信用力が劣る分、スプレッドは大きい。
金利上昇局面では変動金利が喜ばれるだろう。
コベナントは緩和される傾向にある。
貸し手はローン債権をローン担保証券(CLO)に売却し、CLOは機関投資家に売却される。


レバレッジド・ローン市場拡大の一因は言うまでもなく長く続いた金融緩和だ。
投資家は利回り探求を強いられ、投資家の立場は弱くなった。

「コベナント・ライトとして知られる条件緩和ローンが次第に広まり、今では新規発行の80%を占めている。
これがあまりにも一般的になったので、投資家は厳しいコベナントのローンを組むことをしなくなった。
借り手に多くの制約を課そうとすれば、貸出が実現しなくなるかもしれないと考えているのだ。」

信用力に劣る借り手へのローン条件が軽くなっている。
だから、市場が拡大している。
しかし、もともと信用力に劣るのだから、金利上昇にも脆弱だ。
その時、条件緩和は事態を悪化させる方向に働くだろう。
また、SECの規制を受ける有価証券であるジャンク債と異なり、レバレッジド・ローンは相対の貸借契約だ。
流動性は相対的に低く、これは先の金融危機におけるサブプライム・ローン債権を彷彿とさせる。

BNPパリバの中空麻奈氏は以前から現状の危うさを指摘している。

「リーマン・ショック後の2009年、レバレッジド・ローンは多くデフォルトしている。
当時は、条件緩和ローンはわずかにすぎなかった。」


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