モルガン・スタンレー:企業収益にアップサイドなし

弱気予想を続けてきた米モルガン・スタンレーが、米市場を牽引してきたグロース株にまで引導を渡している。
米市場全体として金利環境、企業収益ともに見通しは明るくないという。


配当がなくバリュエーションが高いため、高値のグロース株は世界一デュレーションの長い資産と言えるだろう。
だから、最後には金利上昇に負けることは完全に理に適っていると言える。

モルガン・スタンレーのMike Wilson氏のレポートをBloombergが伝えている。
グロース株のキャッシュフローを超長期の割引債に喩え、金利上昇に対する脆弱性を指摘したものだ。
ウィルソン氏は、米長期金利上昇の兆しを見て、逃げ場はないと示唆している。

「1月高値以来バリュエーションを維持するかさらに上昇した数少ない株式や資産についても(1月と)同様のリスクが存在すると考えている。」

ウィルソン氏は米国株についてほぼ全面的に弱気のように見える。
この理由について1日のCNBCでの発言からもう少し詳しく趣旨を理解しておこう。


(長期)金利は3.10%と、6か月前とは異なる状況だ。
これがバリュエーションに制約を与える。
PERが16.5倍というのがそれだ。
3.10%ならそれがいいところなんだ。

ジェレミー・シーゲル教授がよく言うように、理論株価とは利益を割引率で除したものだ。
金利上昇によって割引率は上昇する。
だから、利益が上昇しない限り株価は低下する。
言い換えれば、PERは低下する。
ウィルソン氏は、米長期金利3.10%ならPER 16.5倍でもフェア・バリューと言いたいのだ。
低金利下の残像を理由に、割安と考えるべきではない。

「今と1年前の違いは、1年前は減税の期待や企業収益にレバレッジがかかる期待があった。
今はそれがない。
・・・
今後12か月で、企業収益にアップサイドは考えにくい。」

ウィルソン氏は、株価のもう1つの決定要因、企業収益についても慎重なのだ。
分子も分母も悪い方向に向かっている。
だから、米国株に弱気になっているのだ。

私は関税が解除されるとは思わない。
・・・
中間選挙後に再び問題化すると予想しており、来年の最大のリスクは関税と利益率になろう。
関税が引き上げられなくても、2019年の企業収益は期待外れに終わるだろう。


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