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ハワード・マークス:ディストレスト債ファンドを用意した

Oaktree Capital Managementのハワード・マークス氏が、自ら肝に銘じている5つの教訓を明かしている。
教訓に従って下した結論は《待ち》であるようだ。


他の投資家が何を考えどうリスクに対処しているかを理解することこそ注力すべき重要事だ。

投資の世界で50年のキャリアを有するベテラン、マークス氏がMarketWatchに寄稿している。
同氏は、投資における勝率を上げるには景気や市場のサイクルを理解することが大いに役立つという。
そして、そうしたサイクルは人間の愚かな心理の産物なのだという。

「現実の世界では、物事は一般的に『とてもいい』と『さほど熱くない』の間を行き来する。
しかし、投資の世界では、認識はしばしば『完璧』から『絶望』へと振れる。」

実体経済では極端な状態はめったに起こらないのに、市場になると良くも悪くも極端に振れやすいのだ。
さらに、市場は実体を超えるようなオーバーシュート、アンダーシュートを見せる時がある。
こうした現象をファンダメンタルズだけで説明・予想することは不可能だ。
だからこそ、投資家が今何を考えているかを理解することが重要なのだ。
マークス氏はこの観点から自身の5つの教訓を明かしている。


  1. 議論の的となっている資産はチャンス
    投資家が資産価格を過大または過小に動かすため。
    ただし、これだけで常に勝てるわけではない。
  2. ファンダメンタルズはスタートにすぎない
    投資家は合理的に価格を定めるものではなく、感情的に価格を変動させるものだ。
  3. ファイナンスは科学ではない
    ファイナンスの世界の現象は理詰めで予想できるとは限らない。
  4. サイクルに応じたポジション調整が有効
    現在がサイクルのどこにあたるかを正しく理解できれば、攻撃的か防御的か、エクスポージャーを拡大するか縮小するかの指針が得られる。
  5. サイクルにおける極端な局面は最大のチャンス
    逆にその中間では確度高く儲けることが難しい。

正論すぎてやや面白みに欠けると言わざるをえまい。
強いて興味を引くのは最後のポイントだろう。
これが示唆するのは、勝負は底と天井でかけろということだ。
しかし、それでは投資家の疑問は晴れない。
底や天井をどうやって知ればいいのか。
マークス氏はこれについてもオーソドックスな考えを示している。

もしもサイクルのどこかにいるのかを『明日は何が起こるか』とか『来月は何が待っているのか』というように頻繁に見分けようとすれば、成功を収めることはないだろう。
私はそうした努力を『かわいくなろうとしている』と表現している。

かわいくない人間がかわいくなろうとしても無理な話だ。
しかし、それもまた人情ではないか。
マークス氏は、現在がサイクルのどこにあるかを暗示するような話をBloombergで口にしている。
オークツリーは来るチャンスに備え約85億ドルのディストレスト債ファンドを用意したのだという。

「高くなった資産を売り、割安なものが見つかれば買っているが、見つけるのは容易でない。
・・・
あまり資金を活用していない。
厳しい時が来たら投資するための資金を用意している。」


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