IMF:日銀スタッフの予測を公表せよ

IMFが先月末、2018年の「対日4条協議」終了にあたって声明を公表した。
昨年のものと比べると、リスク要因をより明確に示した内容になった印象が強い。


下振れリスクが高まっている。
世界経済の見通しと同様、リスクは下方に傾いている。

声明は下方リスクが高まったと指摘し、日本経済について短期・長期のリスクを列挙している。

短期

  • 2019年10月の消費増税の悪影響
    「短期の成長の勢いをそぎ、財政健全化を更に遅らせるかもしれない。」
  • 世界的な需要伸び悩み、貿易・地政学的緊張
    「成長が阻害され、円高と株式市場におけるショックを引き起こし、新たなデフレリスクをもたらす恐れがある。」
  • 金融環境の引き締まり
    「金融機関が株価急落や日本国債の利回りの急上昇の影響を特に受けやすい中では、マクロ金融的なリスクが増大する。
    外貨調達コストが高まると、国際的に活動している金融機関の収益性がさらに圧迫される可能性がある。」

中期


  • 日銀の金融緩和継続
    「地域金融機関を中心に金融機関の過度なリスクテイクを促す可能性がある。」
  • 財政と債券市場の脆弱性
    「金融システムと実体経済に負の影響を及ぼしかねない。」

これに限らず、声明では実に網羅的にさまざまな観点に言及している。
表面上アベノミクスを否定することがないよう用心しながら、今年はかなり踏み込んだ注文をつけている。
興味深いのは、IMFが引き続きアベノミクス初期版の「3本の矢」についてコメントしている点だ。
日本の置かれた状況はアベノミクスによって安全圏に戻ったわけではない。
むしろ、重要な問題から視線がそらされた結果、深刻さを増した面も多い。

(次ページ: IMFの驚いた注文)


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