ゴールドマン:南アフリカに強気

ゴールドマン・サックスが新興国不安にあえぐ南アフリカに強気な見方を示している。
経常赤字国として負け組と見なされがちな同国だが、果たして反転に向かうのだろうか。


「ゴールドマン・サックスは、南アフリカが来年2.8%、2020年に3.2%の経済成長に戻る力を有すると強気の味方をしている。
理由の1つは、世界の経済環境が良好であることだ。
米中の2大経済が好調だ。」

ゴールドマンのColin Coleman氏がReutersに語った。
ラマポーザ大統領の改革と好調な世界経済が南ア経済を回復に向かわせるという。
Reuters調べの2019年成長率のエコノミスト予想は1.7%というから、ゴールドマンの強気は際立っている。

もっとも2.8%の成長率にしても、BRICSの一角としては寂しい限りの数字だ。
南アはかつて先進国の投資家にとってお気に入りの新興国だった。
天然資源に恵まれ、英連邦の一員だ。
ところが、2009年にジェイコブ・ズマが大統領に就任すると汚職と格差拡大が始まる。
社会は不安定化し経済も停滞、ついに今年2月ズマは辞任に追い込まれた。
ラマポーザ副大統領(当時)が大統領に就任し改革に乗り出したが、決して道はなだらかではない。
第2四半期、経済は景気後退入りしてしまう。
3大格付会社の中で唯一南アを投資適格としているムーディーズは、今月格付けを見直す予定だ。


コールマン氏はラマポーザ大統領が先月繰り出した「刺激・回復プラン」を評価する。
これがカンフル剤となり、投資の取り込みが進むだろうという。
しかし、ズマ時代の傷は深い。
南アの国営企業の多くはひどく傷んでいる。
その筆頭は政府の偶発債務の3/4を占めるといわれる南アフリカ電力公社だ。

「(南アフリカ電力公社)はかなり大規模な資本注入を必要としている。
政府が資金注入に応じられるとは考えにくい。」

電力公社ではストライキ、老朽化、石炭が水に濡れたなど、日本では考えにくい理由で停電が発生している。
これを解決し、経営を立て直すにはかなりの資金が必要だ。
電力公社に限らず、とにかく資金が足りていない。
政府は海外からの援助を求め、7月には中国から1.6兆円相当の投資を引き出している。

資金が必要なのは、国有 南アフリカ航空も同じこと。
こちらは民間資金が想定されるが、スターアライアンス加盟のフラッグシップ・キャリアであっても簡単には投資家がつかない。

「(南アフリカ航空を)買いたいという投資家はみんな、悪化したバランスシートでは買えないと言う。
実現性のあるリストラ策や再生を可能にする監督体制も必要だ。
買い手にとって十分魅力ある条件が必要だ。」


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