バイロン・ウィーン:新興国市場はそろそろ

Blackstoneのバイロン・ウィーン氏が、10月の市場コメンタリーで市場ごとに丁寧にコメントしている。
米国株に急騰は期待できないとする一方、新興国市場へのエントリーの好機が近づいているという。


現在S&P 500のPERは17倍と前世紀終わりや2007年のピークより大きく下回っている。
私の割引配当モデルによればS&P 500は(債券との)均衡点よりわずかに上またはフェア・バリューにある。
投資家の市場心理は楽観的だが、1月(末の調整前)ほどには熱狂的でない。
これらの要因を見る限り、市場はまだ少し上昇しうるが、急騰はしそうにない。

ウィーン氏が米国株市場について予想した。
いつも明るさを忘れないウィーン氏からすれば、やや控えめな予想かもしれない。
ウィーン氏はこの予想の前提として米景気は好調、外国経済は苦戦、地政学的な問題が多いことを挙げている。

前世紀末とはドットコム・バブルの生成期であり、2007年とはリーマン危機の前年である。
現在の米景気拡大・強気相場が異例に長く続いたために、バブルが心配されている。
1月の熱狂とは《最後のひと上げ》への期待が高まったことを指している。
ウィーン氏は現在がバブルではないとし、今後バブルに発展する可能性も低いと考えている。
しかし、バブルやバブル崩壊が来なくとも、経済・市場が循環を止めない限り株価の調整や弱気相場はやって来る。


「私が今信じている一番重要なことは、次の景気後退がおそらく2020年の大統領選後まで訪れないということだ。
この結論はドナルド・トランプの再選いかんには関係せず、経済のファンダメンタルズ、市場の要因、過去見られた警戒シグナルの分析に基づいている。」

ウィーン氏によれば、過去の景気後退期に必ず先行した指標のいくつかが現在まだ点灯していないのだという。
ただし、ウィーン氏も、景気後退入りに先行して株式市場が下落を始めうる点については認識している。
浜町SCIの調べでは、過去4回の米景気後退期で株式市場は単純平均8.5か月程度の先行性を示している。

ウィーン氏は、新興国市場についても紙幅を割いている。
新興国市場はドル高で表面化したドル建て債務の負担により苦戦を強いられている。
ウィーン氏はドル高やそれにともなう「QE時代に積み上がったドル建て債務」の負担は継続するかもしれないという。
しかし、それでも投資のチャンスが到来しつつあるという。

バリュエーションから言えるのは、市場が新興国市場全体の大部分を割り引き済みということだ:
2000年以降のPERの平均が13.2倍なのに対し、(2019年利益予想を用いた)新興国市場の予想PERは約10.6倍だ。
歴史的に、この水準以下のバリュエーションは新興国市場においてとてもよいリターンをもたらしてきた。
12か月での配当込みリターンの平均が約14.1%なのに対し、現状のような低バリュエーション後12か月では平均約21.2%であった。


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