ヌリエル・ルービニ:2020年には金融危機の条件が揃う

「終末博士」の異名をとるニューヨーク大学ヌリエル・ルービニ教授が陰鬱な予想をしている。
2020年頃に過酷な金融危機が訪れるという予想だ。


米国が大きな財政赤字を容認し、中国が緩い財政・金融政策を追求し、欧州が回復基調を続けていることを考えれば、現在の世界的景気拡大は来年も続くだろう。
しかし、2020年までには金融危機の土壌が出来上がり、その後世界的な景気後退がやってくるだろう。

ルービニ教授がProject Syndicateで2020年頃の金融危機を予想した。
昨年までは経済危機は予想されないと話していたから、久しぶりに終末博士の面目躍如だ。
教授は今回の予想の理由を10点挙げる:


  1. 米財政刺激策の効果は2020年までに終わり、フィスカル・ドラッグが効き始める。
  2. 財政刺激策のタイミングがおかしかったため、インフレによりFRB利上げが進み、ドルも上昇する。
    他の経済でもインフレが上昇し、金融政策正常化に傾く。
  3. トランプ政権が仕掛ける貿易摩擦がエスカレートし、成長鈍化とインフレ上昇をもたらす。
  4. 政権の他の政策もスタグフレーション圧力を及ぼし、FRBに利上げを強いる。
  5. 米国以外の経済も減速する可能性が高い。
  6. 欧州経済も金融引き締めや貿易摩擦等により減速する。
  7. 米国を始めとして世界の資産価格は高水準。
    さらに新興国と一部先進国ではレバレッジが過大になっている。
  8. 一たび調整が始まると流動性不足と投げ売りが加速する。
  9. 2020年の大統領選のため、トランプ大統領はイラン攻撃を強める。
    これがオイル・ショックのようなスタグフレーション圧力となる。
  10. 経済に問題が起こっても、金融・財政政策はすでに伸びきっており、対処の余地は大きくない。

ここまで物事がすべて悪い方向に進むかどうかわからないが、とにかくルービニ教授は世界金融危機の到来を言い当てている。
今回の予想も論拠を心に留めておくことは有用だろう。
ルービニ教授は次なる金融危機の大きさを予想している。

政府が自由落下を防ぐ政策ツールを有していた2008年とは異なり、次の景気後退に立ち向かう政策決定者は両手を縛られている。
一方で、全体の債務レベルは前回の危機よりも高い。
それがやってくれば、次の危機と景気後退は前回より過酷で長く続くものになるかもしれない。


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