ガンドラック:米長期金利6%予想は実現しつつある

新債券王ことDoubleLine CapitalのJeffrey Gundlach氏が、あらためて米長期金利6%を予想した。
大統領選でのトランプ勝利を早くから予想していた同氏は、どうやらトランポノミクスの帰結までも見通していたようだ。

「初めに私が(金利上昇を)予想したのは2016年7月。
当時は10年債利回りがすぐ1%に向かうというのが大勢のコンセンサスだった。
2年余りがたって10年金利が3%を少し超えているのだから、私の考えは正しかったんだ。」


ガンドラック氏が19日Reutersに語った。
2016年6月と言えば、米10年債利回りが1.3%台まで低下した時期だ。

米10年債利回り
米10年債利回り

当時はまだ金利が下がるとの悲観論が多かったが、ガンドラック氏は米長期金利がボトムを打ったと予想した。
金利が上昇に向かうなら、米資産価格には(割引率上昇を通して)あまねく下押し要因となりうる。
ガンドラック氏はある前衛芸術作品のタイトル「家を売れ、車を売れ、子供を売れ」を引用して資産売却を推奨し、そのセンセーショナルな表現から大きな注目を浴びた。

ガンドラック氏は、経済界で誰よりも早く大統領選でのトランプ勝利を予想していた。
同氏の金利上昇予想には、この要素も加味されたのかもしれない。
実際、トランプ勝利が決定した2016年11月には、ガンドラック氏は米長期金利について大胆かつ具体的な予想をしている。
5年ほどで米10年債利回りは6%まで上昇しうるというものだ。
トランプ政権の政策によって経済成長とインフレが高まると見たものだ。

「赤字財政はばかげている。
本当に強い経済とは財政黒字を生むものだ。」


ガンドラック氏はトランプ大統領を支持してきたわけではない。
むしろ、当初からトランプ政権と共和党の政策をこき下ろしてきた
景気拡大期における財政出動はその最たるものだ。
しかし、たとえ愚かな政策であっても、少なくとも一時的には経済成長率やインフレは高まるだろう。

2021年までに(10年金利が)6%に達するとの私の予想は順調に実現しつつある。
変更する理由はなにもない。
30年債利回りが引けで2日連続して3.25%を超えれば、利回り上昇が近いとの兆しになる。

ガンドラック氏は先日、10年・30年金利が節目を抜ければ「ゲームが変わる」とツイートしている。

2016年から「5年」という何気ないホライズンは、実は次の大統領選を意識したものだったのだろう。
トランプ大統領が再選のための票を買うために、国の将来を無視して景気刺激策を打ち続ける可能性は否定できない。
2016年11月時点でのガンドラック氏の見通しでは
 ・インフレ: 3%
 ・名目成長: 4-6%
を予想していた。
これと当時の2%前後の長期金利が擦り合っていないという指摘だった。
それは3%であっても同じことだ。

6%という長期金利を市場は想定できているだろうか。
米イールド・カーブから10年のフォワード金利を試算してみよう。

米イールドカーブ(青)とインプライドフォワード金利(10年)
米イールドカーブ(青)とインプライドフォワード金利(10年)

試算結果によれば、市場が予想する3年後の10年金利は3.2%にも達せず、20年後でも3.4%に満たない。
これが本当に6%になるのなら、あらゆる米資産価格は価格に織り込んでいる3.2%を6%に織り込み直すことになる。
金利は分母であり、分母の増大は大きな価格低下要因だ。
これをオフセットするには分子、つまり資産からのリターンが改善しなければならない。
ここで注意しなければならないのは、現在の価格に織り込まれていない改善で、分母増大を打ち返さなければいけないと言う点だ。


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