エラリアン:リスクは規制をかいくぐる

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、リーマン危機後の政策について通信簿をつけている。
達成・未達成それぞれあるとし、次の混乱は銀行ではなくノンバンクで発生すると予想した。


「米国が成し遂げたのは銀行システムの安全性向上だ。
銀行システムから次の危機が起こることはない。
ノンバンクから起こりうるが、それは危機にはならない。
決済・清算システムの安全性がはるかに改善したからだ。」

エラリアン氏がCNBCで金融危機後の米政策の成果について話した。
銀行システム・決済システムの安全性が増したと述べ、別のメディアでは国際協調の枠組みが強化されたと指摘している。
結果、銀行発の危機の可能性は小さくなっているという。

もちろん、すべての問題が解決したわけではない。
エラリアン氏はいくつか未達となった課題を挙げている。


「最近までの大きな未達事項は、包括的な経済成長が見られなかったことだ。
危機管理から経済回復への切り替えがうまくいっていなかった。」

リーマン危機後つい最近まで、経済政策はFRBにおんぶにだっこの状態が続いていた。
経済は回復したが、いびつな拡大となり、勢いも弱かった。
それが、トランプ政権の財政刺激策で勢いを得る。
最近、エラリアン氏はかつて自分が提唱したNew Normalが終焉を迎えたと話している。

良かった点・悪かった点を並べた上で、エラリアン氏は今、意図せざる結果が起こっていると言う。

「大銀行はさらに大きくなり、小さな金融機関はさらに複雑になり、何より次の景気後退期のための政策の柔軟性が失われた。」

現在の米国では財政政策も金融政策も目いっぱいに近いところまで稼働している。
ここに景気後退が来ても、政策対応の余地は限られてしまう。
エラリアン氏によれば、銀行システムは盤石で、金融危機に対する備えもできているという。
一方、銀行システム等への規制が強化されたために、リスクの一部が規制の緩いノンバンクへ移転しているとも指摘した。


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