ロバート・シラー:米国株はまだ上がる

執筆:

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授は、米市場がまだ上昇すると予想した。
弱気が拡大しつつある市場では吉報のように聞こえるが、内容を聴くと手放しでは喜べない話のようだ。


米国株市場は下落する前にもっと上がると私は予想している。
私が計算しているCAPEレシオは今30代前半にあるが、(ドットコム・バブルの)2000年には45を超えていた。
今より50%も高かったことになる。

学界におけるバブル研究の第1人者がBloombergに話した。
理論の話ではない。
CAPEであろうとPERであろうと30台というのは安心できる水準ではない。
それでも、過去45を超えていた時期もあるから、繰り返してもおかしくないと言っているのだ。

シラーのCAPEレシオ
シラーのCAPEレシオ

まだ上昇しうるという理由は1881年以降での最高値よりまだ低いという話にすぎない。
現在の33というCAPEレシオは大恐慌が始まる1929年と並んで市場2番目の高さだ。
(リーマン危機前は27)
シラー教授は投資家に警告する。


現在はリスクの高い市場になっている。
私は過度なエクスポージャーをとりたくない。

ここで言う「リスク」とは上下対称に存在するリスクを意図しているのかもしれない。
上がるかもしれないから電車を降りれない。
しかし、乗り続ければ脱線が待っているかもしれない。
欲張りな投資家はそういうジレンマに陥っているのだろう。

シラー教授は現在の強気相場が「合理的・論理的な効果を超えた」アニマル・スピリットに関連したものと分析する。
「例外的なほど企業の方を向き、規制緩和を望み、減税を好む大統領」が市場心理に変化をもたらしたのだという。
一方、この幻影が消える時期を予想するのは難しいとも話した。
それが理屈にしたがったものではなく「人間の心理」によるものだからだ。

多くの人が心配しているイールド・カーブやボラティリティについては次のようにコメントしている。

  • イールド・カーブの長短逆転
    「(逆転が)予想されているのは1年先であり、大事ではないだろう。」
  • ボラティリティ
    「ボラティリティは、市場がピークを打った時に急騰する性質がある。
    (大恐慌が始まった)1929年ボラティリティは高くなかったが急騰し、不況を通して高止まりした。
    ボラティリティは信頼性の高い先行指標ではない。
    だから最近の株式市場の低ボラティリティに安心はしていない。」

 - 投資 , ,