ジム・ロジャーズ:みんなドルから離れたい

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ジム・ロジャーズ氏が、準備通貨・基軸通貨の交代と米ドルの凋落について語っている。
今後数年で米ドルの地位低下が進むだろうという。


今後数年で米ドルは世界の準備通貨、世界の貨幣としての地位を失っていくだろう。

ロシア政府主催の東方経済フォーラムに出席中のロジャーズ氏がロシア国営RTに話した。
同氏は現在莫大な米ドルを保有していると公言しているが、これは近いうちに人生最悪の危機が到来すると読んでのこと。

「みんなが安全資産を求めてドルに殺到すると予想しているんだ。
米ドルは安全資産じゃないが、みんなそう思い込んでいる。」

この投資戦略とは裏腹に、米ドルのファンダメンタルズは悪化を続けているとロジャーズ氏は指摘する。
米国での量的緩和や財政悪化がそれを加速してきた。
各国がドルを敬遠する理由は他にもある。

みんなワシントンの権力を嫌い、ワシントンから離れ、ドルから離れる方法を模索している。
・・・みんな米ドルなしでいこうとしている。

中国、イラン、ロシア、トルコなど米国から喧嘩を売られている国でこの傾向が顕著になっているという。


ロジャーズ氏は、準備通貨・基軸通貨の交代について、歴史で繰り返されてきた自然な出来事にすぎないという。

「これら(過去の基軸通貨)はその地位をそれぞれ有していたが、過剰になりもはや安全でなくなり、地位を失っていった。
・・・英ポンドにも起こったし、その他でも知られていることだ。
・・・それは災難ではないんだ。」

ロジャーズ氏は災難ではないと言うが、それは米国にとっても言えることだろうか。
ジェフリー・サックス教授は基軸通貨を持つことのメリットを3つ挙げ、それを失いかねない政策を続けるトランプ政権を強く批判している。
世界にとっては災難でなくても、米国にとっては災難だろう。
それは、米国をただの普通の国にしてしまう。

ロジャーズ氏は淡々を変化を眺めている。
いつか交代が起こると考えている。
しかし、その先が見えているわけでもないようだ。

「今(次の基軸通貨として)可能性があると言えるのは中国の人民元だが、すぐではないだろう。
人民元は(自由に)交換さえできないから、当分は無理だ。」

本当に今後数年でドルの地位低下が進むのに次の基軸通貨が現れないなら、世界の通貨制度・為替市場は(一時的でも)混沌とした状況になるのではないか。
特に米ドルを抱えてしまっている国々・経済主体には苦しい日々が来るのかもしれない。


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