マーク・ファーバー:ブラック・マンデー前夜

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、現在を生きる世代の難しさを代弁している。
さらに、世界的な債務問題についてその終わり方を予想している。


私たちがミレニアル世代と呼んでいる人たちの苦境とは、彼らの両親たちが稼いだより実質ベースで少ない金額しか稼げず、さらにお金を持っていないことだ。
(注: ミレニアル世代: 1980年代から2000年前後に生まれた世代)

ファーバー氏がWallStreetWindow.comのインタビューで、単刀直入に現役世代の苦境を語った。
彼らの親の世代は、何も考えず余資を貯蓄に回せばよかったのだという。
しかし、今の世代は余資もなく、貯蓄しても増えない。

「私がウォール街で働き始めた頃、とても大きな社会的変化があった。
リスクフリー金利、言い換えると米国債利回りは6%だったが、その後上昇し、1981年9月のピークでは10年債で15%を超える15.84%となった。
あなたが若くて貯金をもっていたら・・・高い金利で貯蓄ができ、財務の天才である必要はなかった。
複利効果がすべてうまくやってくれたんだ。」

問題はそれだけではない。
政府を始めとして、世界中の多くの経済主体で債務が膨張している。
これが、なけなしの貯蓄までも蝕み始めている。

過去こうした過剰債務が減少に転じた時の方法は、デフォルトか大規模な通貨発行だった。
これは、不換券の購買力の喪失につながる。

幾重にも潜む落とし穴が社会不安を掻き立てる。


「これが不快な社会環境、特に富や所得の格差を生んでいる。
・・・
ミルトン・フリードマンが『基本的にフリー・ランチはない』と言った通り、誰かを助けるためには他の人の負担になる。」

ファーバー氏は日本を例に出し、政府が過剰債務問題をマネタイゼーションで凌いでいると解説する。
政府が借金を増やし、日銀がそれを買い入れるという構図だ。
ファーバー氏は、このやり方が現状機能しているとしたものの、いつまで持続可能かはわからないとも語っている。

「比較的高い確信を持って言えるのは、これが悲惨な終わり方をするということだ。
正直なところ、私たちがこの家に座って、いつかこの家は崩壊すると言うのは簡単だ。」

このあたりから非常に珍しい出来事が起こった。
インタビュアーがファーバー氏以上に悲観論者だったのだ。
その悲観論に対し、ファーバー氏は「この家が崩壊するというのは簡単だ」が、実現可能性のある解決策を提示し実行するのは容易ではないと示唆したのだ。
ファーバー氏は1987年のブラック・マンデー直前の昔話をしている。
セル・サイドを始めとする証券・投資銀行業界の愚かさと悲哀を感じさせる話だ。

金融資産について悲観的見通しを仲間に話したんだ。
彼の答はこうだった。
『マーク、君は正しいかもしれない。
でも、私はビジネス・パーソンとして楽観的でなければならないんだ。』
彼は理解していたのに、マインド・セットが違っていたんだ。
結局、彼は破産したよ。


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