ジム・ロジャーズ:トルコは買い時

ジム・ロジャーズ氏が、米国の外交・通商政策について嘆いている。
一方で、それが生み出す混乱が逆張り投資のチャンスを与えてくれるという。


「狂気の沙汰だ。
なんで米国がこうするのかわからない。
トルコは米国、そしてNATOの長年の同盟国だ。」

ロジャーズ氏がトルコ国営アナドル通信社に語った。
米国がトルコに課しているような制裁は、長い目で見てトルコ側を害する以上に米国自身を害することになるという。
ロジャーズ氏は米政治家の無能を嘆き、制裁が時間・エネルギー・資金の浪費になると危ぶんでいる。

「歴史を通して長い目で見て制裁が大きな効果を及ぼすことはまれだ。
最後はいつも市場がそれを悟り、制裁を迂回するようになる。
・・・
制裁を強制するために多くの苦労がいる。
他の人たちはそれを回避しようとする。」

実体経済にとっては得るところの少ない制裁だが、投資にとっては買いのチャンスを与えてくれるという。

いつも言うことだが、こうしたことが起こった時、その機に乗じて買うべきなんだ。
・・・あなたが買いに入れるほど優秀なら、2年、5年後にとてもいい結果になるだろう。


ただし、ロジャーズ氏はまだ実際に買ったわけではなく、今後買うことになるだろうと言っているにすぎない。
外遊に忙しいとの理由だが、やや本気度を疑いたくなるところだ。
ロジャーズ氏がリップ・サービスを忘れないエンターテイナーでもある点は留意すべきだろう。

ロジャーズ氏によれば、米国の制裁は米国を再び偉大にするのではなく、制裁相手国を偉大にするという。
米国と対立する中国、ロシア、イラン、トルコが距離感を縮めており、今後も経済的つながりを強めていくだろうという。
こうした展開は米国の国益に反することになるだろう。
外交・通商上の要因が、これまでの金融環境と相まって、次の危機の発生確率・規模を高めてしまう。

「米国では債務が積みあがっており、多くの国を敵に回している。
・・・(危機が)いつ起こってもおかしくない。
米国と貿易をやらない国も出てくるだろう。
結局は、次の弱気相場は私の人生最悪のものになる。」

日本が米国の次のターゲットになるとの観測が高まっている。
米国が同盟国をもターゲットとしている現実を見れば、決して他人事ではない。
まだしばらく米国は覇権国家であり続けるのだろうが、中国がさらに勢力を強め(ロジャーズ氏が予想するように)米国が金融危機で弱体化するようなら、将来のステータス交代も意識されるようになるかもしれない。
その時、日本は誰につくのか。
損得勘定がゆっくりと変化してもおかしくないだろう。


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